Esperanza Spalding / Chamber Music Society

March 2nd, 2011

Aug. 2010 Released

2011年のグラミー賞授賞式は予想を覆す場面を多数目の当たりにしたが、恐らく「Best New Artist」ほど世界を仰天させたシーンは他ならないだろう。ノミネート時には今回ご紹介するEsperanza Spalding(エスペランサ・スポルディング)をはじめJustin Bieber、Drake、Florence & The Machine、Mumford & Sonsの5組が候補にあがっていたが、当初は誰もがジャスティンとドレイクの一騎打ちになるだろうと予想していた。が、実際に発表された勝者はジャズ界の新生でありながらも一番勝者の予想から遠ざかっていたEsperanza Spalding本人だった。

これに対し賛否両論様々な意見が飛び交ったが、ある音楽界の著名人は新聞の一面を買い取って講義の文面を掲載した。グラミー審査委員会はもっと公平かつ客観的な立場で音楽界を評価するべきだという意見や新人賞の受賞を逃したジャスティンのファンからは、彼女の存在がネット上で痛烈な攻撃を受けたとの報告もあるようだ。

彼女の音楽をノラ・ジョーンズと引き合いにかける評論家もいるようだが、私の考えではそれは全く次元の違う話だと思う。唯一同じことはジャズのボーカルであるということだけ。ノラ・ジョーンズが誰からも共感されるアイドル的シンガーであるのに対し、Esperanzaは様々な楽器や音楽理論を用いて自身を表現する芸術家であり、ただの歌い手ではない。もっと率直に言うと「ポップではない」の一言に尽きる。アート性が限りなく際立っている分、わかりにくいのだ。

若干20歳で世界で最も音楽的に格式の高いバークリー音楽院を卒業し、翌年にAyva Music Ayva Musicより自身のリーダー作「Junjo」にてデビュー。翌年2007年はStanley Clarkeとの共作を発表、08年は2作目となる「Esperanza」のリリース、09年はオバマ大統領がノーベル平和賞を受賞した式典にて名誉たるコンサートに出演するなど、これまでの活動が目まぐるしいほど忙しかったことは確かだ。

この度グラミー・アワードで評価を受けた「Chamber Music Society」は2010年8月にリリース後、再び脚光を浴び2011年3月5日付けのビルボード・アルバム・チャートで自己ベスト記録の34位をマークした。

現在若干27歳(2011年3月時点)数少ない若きアメリカの芸術家であり、ジャズ・ミュージシャンである彼女の音楽が、今後どのような変化を遂げていくのか?期待と末恐ろしさを同時に抱え、見守っていくのみである。

おすすめ度
☆☆☆☆

Martina McBride / Martina

February 3rd, 2011

Sep. 2003 Released

日本ではあまり親しみがないかもしれないが、アメリカ国内では最も人気のあるベテラン・シンガー。本サイトでは黒人音楽を中心にお届けしているが、今回紹介するのは完全に白人の音楽であるカントリーというカテゴリー。著者はアメリカ人のパーティーを中心にDJで生計を立てている事情で、カントリーシーンもチェックをしているのだが、彼女に限ってはジャンルを超え、こよなく愛するカントリーアーティストの一人。「良い音楽は理屈抜きに良い」というコンセプトは決してハズしておらず、これは絶対的な音楽人のポリシーでもある。

Martina McBride は1992年にデビュー2009年までに10枚のオリジナル・アルバムをリリース。数々のチャリティーにも積極的に参加し信仰心が強く、人種的な偏見も少ない女性であることは彼女の音楽が証明するところ。現在は3人の娘に恵まれ、自身の子供に関する歌も数多く歌っているが、本作で最も著者が心を打たれた”In My Daughter’s Eyes”もそのひとつ。一人の母親として子供の目に映る純粋な世界を描いた素晴らしい作品。アルバムのセカンド・シングルとしてリリースされ2004年の全米シングル・チャートで最高39位を記録。尚アルバム自体は総合チャート7位、カントリーチャートで1位を記録した。

14曲目にはジャズ・スタンダード”Over The Rainbow”のライブ音源が収録。
彼女の歌唱力が直々に痛感できるナンバーだろう。

おすすめ度
☆☆☆

映像はカントリーミュージック・アワードにてオーケストラをバックに”In My Daughter’s Eyes” を歌っている様子。大勢の観衆を前に、かなり緊張しているように見える。

Jamie Foxx / Intuition

January 19th, 2011

Dec. 2008 Released

2004年に映画「Ray」にて主演を務めアカデミー賞を獲得。ビヨンセが出演し話題となった「Dreamgirls」やトムクルーズ主演の「Collateral」などに次々と舞台を移し、その勢いも止まらず俳優として脂ノリノリの彼が2008年にアーティストとしてリリースした本3作目はミリオンセラーを記録。中でもT-Painをゲストに迎えたサードシングル曲の“Blame It” は音楽の最高栄誉であるグラミーアワードの「Best R&B Performance」部門を獲得。

アルバムの内容は奥深く、“Blame It” 以外にも数々の名曲を残したが、T.I.参加の“Just Like Me”、Ne-Yo が歌でFabolousがラップで参加した “She Got Her Own”など、ヘヴィ・ローテーションとなったリード・シングル以外も大人のオ・ハ・ナ・シが満載、ベッドタイム・ミュージックとしても重宝された。

私が在米中の80年代後半のイメージからは考えられないが、当時のジェイミーは「In Living Color」というコメディー番組にて超オチャラケ役で笑いの的であり、コメディアン以外の何物でもなかった・・・というのが本音。その影響も後を引いてか1994年にリリースしたデビュー作「Peep This」は全米ネットワークに出演するアクターとしてはあまりにも悲惨だが、アルバムチャートの最高が78位という結果に留まった。彼がクラシック・ピアノを極め、音楽の道で大学のスカロシップを受けたことがわかったのは、その何年も先でセカンド・アルバム「Unpredictable」をリリースした時だったことは記憶に新しい。

アルバムがミリオンセラーになった要因に、その制作陣の協力なしには語ることが出来ないが、ベテラン・プロデューサーで本作で4曲を書上げたTricky Stewartを始め、Timbaland、Just Blaze、Salaam Remi、Tankなどなど面子がクレジット。

アルバムをしめる最終曲“Love Brings Change”は隠れた普遍のラブ・ソング。
2000年代のR&B代表作品として語り継がれるに相応しい名作である。

おすすめ度
☆☆☆☆☆

Teena Marie / Greatest Hits

December 30th, 2010

Jun. 2000 Released

2010年12月26日に急死が伝えられ、54歳という若さでこの世を去ったシンガーソングライター、Teena Marie。彼女の娘が昼寝中のティーナの顔色異常に気付き救急車を呼んだとのことだったが、既に手遅れだったとのこと。ドラッグや殺人などではないことは確からしく、現在は原因の究明に急いでいる。

リック・ジェームスのバックアップのもと80年代に才能が開花し、モータウン・レコードやエピック・レコードなどから通産13枚の作品をリリース。白人ながらファンク・ミュージック界においてブラック・コミュニティーから圧倒的な支持を受け、彼女の書いた「Ooo La La La」は、ローリンヒルが属したフージーズの大ヒット曲「Fu-Gee-La」にて大きく取り上げられる等、その後のヒップホップ・アーティストにもサンプリング活用された。

近年は彼女に対するリバイバルが密かに巻き起こっていた最中で、2004年には絶頂期のキャッシュマネー・レコーズと契約を交わし、アルバム「La Dona」でシーンにカムバック。06年に「Sapphire」は全米アルバム・チャートで24位を記録。昨年は再帰を果たしたスタックス・レーベルより「Congo Square」をリリースし、近日中にもキャッシュマネーが新たに設立した「キャッシュマネークラシック」よりアルバムが発売される予定となっていた最中の出来ごとだけに、ファンとして悔しい気持ちで一杯だ。

おすすめ度
☆☆☆☆

R.Kelly & Public Announcement / Born into the 90′s

December 23rd, 2010

Jan. 1992 Released

1992年に発売されたR. Kelly のデビューアルバム。当時は彼の他にPublic Announcementという3人組みを率いて93年に解散するまで共に活動を続けていた。個人的にこのアルバムには思い入れがあるのだが、1992年12月だっただろうか、ハーレムのアポロシアターでデビューしたてのR. Kelly & Public Announcementのライブを見に行ったことがある。アルバムからリリースされていたニュージャック・スイング後期のシングル曲「She’s Got That Vibe」をはじめ、ケリ男のスケベ心が芽生えた元祖エロ「Honey Love」、歌唱力の熱さを見せつけた「Slow Dance」等はアンダーグラウンドなヒットとなり、一部はチャートにも顔を見せ始めていた。スティービーワンダーの影響下にあった当時の彼を映し出す「Hey Love」のカヴァーも好印象で、個人的にナンバーワンの曲「Dedicated」は歌詞が最高で、恐らくケリ男が母親に捧げた曲だと推測する。

アルバムの制作には現在も付き合いのあるWayne WilliamsやPeter Mokranといった優秀なエンジニア、Herb PowersというUSのレコーディング業界では有名なマスタリング・エンジニアが参加。それらを仕切っていたのは当時ワイナンズなどゴスペル界で腕を振舞っていたBarry Hankersonであり、この小僧のデビュー作がただの出発点ではないことを物語っていた。

Public Announcementに関しては98年に“All Work, No Play”と言うアルバムでR. Kelly 抜きの再デビューを果たし、密かに日本にも来日した際に、小さなクラブでライブを披露し、その後メンバーとお話をさせてもらった記憶が残っているが、確かオリジナルメンバーは1人しかおらず、その後の活動も大きなヒットに恵まれず苦戦を強いられた。

R. Kelly のメジャー第一弾、原点となるアルバムは本作を含め、完全にソロへと移行した次作の「12 Play」が大元である。2010年末現在、最新作の「Love Letter」、ベスト盤やJay-Zとのコンピレーション等を含め16作をリリースしているベテランであるが、これらの初期作を聴くことで、彼が夢を託していたハングリーな少年の心を身近に感じさせてくれるのだ。

おすすめ度
☆☆☆☆☆

Mary J Blige / What’s the 411?

November 29th, 2010

July 1992 Released

現在30代の方々なら恐らく知っているだろうメアリーJの記念すべきデビューアルバム。2010年までに9作をリリースしている彼女のアルバムの中で私自身最も思い入れの強いアルバムである。それもそのはずで、当時ハーレムに住んでいた私が近所のアポロシアターで彼女がステージを行うということで、町の至る所に告知のポスターが貼られ、「What’s the 411」からのセカンド・シングル“Real Love”が超新鮮な最先端のヒップソウルとして町中に響いていた。

アルバムのファースト・シングルは“You Remind Me”だったのだが、ニューヨークではビデオクリップもそこそこに流れ、認知度があったもの、彼女自身がアメリカ中に知れ渡ったのは“Real Love”がシングル総合チャートのトップ10圏内にランク入りを果たした頃。地元ハーレムとは若干の時間差があったが、デビューしたての彼女のステージはお世辞にも良いとは言えなかったのを覚えている。そう考えると彼女の初期を成功へと導いた当時アップタウン・レーベルのボス、Andre Harrell (アンドレ・ハレル)と彼のもとで下積みをしていたSean Puffy Combs(Diddy現在の芸名は何だっけ?)の仕掛けを語らずして今のメアリーは存在しえない。

話は変わり、このCDを手に入れたのは、先日大好きな中古屋(ハードオフ)を巡っている途中に本作がジャンク扱いで105円で売られているところを救ってあげたのがきっかけ。ハードオフはほとんどモノが高過ぎで値段の付け方に疑問だらけだが、このアルバムの価値が非常に高い自分にとって、ジャンク扱いで105円の安さとはかなり頭に来た。今まではカセットテープとレコードで持っていたのだが、デジタル時代の最近はなかなか聞く機会に恵まれなかった。そして直ぐに車の最高級オーディオで聞いた。恐らくアルバム全部を通しで聞いたのは15年以上ぶりで、テープが伸びきってしまうほど聞き込んだアルバムだったこともあり、涙が出るほど感動を呼んだ。特に最初の留守電のメッセージ!なつかしい名前がこだまする中、DJ Red Alert(レッド・アラート)のパーティーに遊びに行った時のことを思い出したり・・・当時ニューヨークのヒップホップ・パーティーはかなり命がけで会場の周辺にヤバそうな奴らが沢山いたのを覚えてるな~ちょっと脱線してしまったが、80年代後半から90年代にかけて、こうした新鮮なサウンドが次々に生まれてきた中で、このアルバムがヒップホップ史に残した足跡は「貴重」の一言。

おすすめ度
☆☆☆☆☆

Ashanti / Ashanti’s Christmas

November 17th, 2010

Nov. 2003 Released

前回に引き続き今回もこのシーズンならではのクリスマス・アルバムを紹介したいと思う。自分の家で家族と共にリラックスしたい・・・と言う時にはCece & Bebe Winans が1993年に発表した「First Christmas」やNat King Coleなどの古いアルバムが気に入っているというのは前回お伝えした通り。しかしちょっとしたホリデーパーティーや、もしくは団体の大きなディナータイムなどでもDJ を頼まれた際は、個人的に好んでプレイするアルバムがこちらのクリスマス・アルバムだ。

リリースは2003年、アシャンティがデビュー以降、好調に売上げを伸ばしディーヴァの座を確立していた時期である。決して今も衰えたとは思わないが、時代と共に変わる世代交代というヤツで、その象徴は時代背景によって変わり続けるものだ。しかし2003年の象徴が誰だったかと言えば、それはセカンド・アルバム「チャプターⅡ」をナンバーワンに送り込んだアシャンティ、そう彼女こそ女神の地位を築いた人物であり、ひとゆえに彼女の年だったと事が断言できる。

ちなみにアシャンティ自身はこのアルバムについて「家族向け」であることを強調しているようだが私の観点から言うと本作は実用的なクリスマス・アルバム。非常にさっぱりとした歌い方、そして元気であり、フレッシュである。だからと言って決して安っぽくは無く、心地の良さ、ムードの良さは、他のアルバムにも勝る特別な何かを感じる。実は多くのクリスマス・アルバムはこってりしていて新鮮味に欠ける。そう言った意味でも本作は今聞いてもとてもフレッシュな気分にしてくれる。だからこそ、パーティーにも打ってつけであり、私がちょくちょくプレイをする要因なのかな。。。と自分なりに分析している。

ソングリストは10曲で内容も至ってシンプル。ダニー・ハザウェイの“This Christmas”やスタンダードなところでは“Silent Night”,“Joy to the World”などなど。オリジナルも数曲収録されており、彼女自身もペンを握ったらしい。全体を通じて温かい気持ちになれる・・・これこそホリデーアルバムの醍醐味でしょうな。 

他にもデスチャやトニ・ブラクストン、ブライアン・マックナイトのクリスマス・アルバムも使い分けています。

おすすめ度
☆☆☆

Mariah Carey – Merry Christmas II You

November 4th, 2010

Nov. 2010 Released

11月は一年間で一番ビック・アーティストの話題作がリリースされる時期であるが、続々と大物がリリースを控える中、11月1日に発売されたマライア・キャリーのクリスマス・アルバムを紹介したい。

今年は自らのオリジナル作品で勝負するのではなく、ホリデーシーズンの音楽に焦点を絞った彼女は、実は1994年にも同様にクリスマス・アルバムをリリースしている。当時の全米アルバムチャート最高3位を記録した「Merry Christmas」というクリスマス・アルバムからは、日本人にもお馴染の“All I Want For Christmas Is You”というトラックが毎年この時期になるとチャートインを果たすロングラン・ヒット作となっている。

そのような前作から16年振りのXmas作となるのだが、やはり音の作りが現代っぽいうえに、当時からはデジタル技術も格段に向上しているので、空気感の違いが楽しめるのは確かである。しかしその一方でクリスマスの演出を考えた時に、新しくてクリアな音が一番というわけではなく、時として50年代のフランク・シナトラやナット・キングコールのようなストリングスを多用した温かみのあるアナログ音が、更なるムード作りに一役買うこともあり、我が家でもそういったクラシックな音源がお気に入りであることも事実だ。

いずれにしてもクリスマスに限ってはスタンダード曲を外すことはできないので、このアルバムに関してもほとんどが古くからのカヴァー曲で構成されており、それらの曲を成熟したマライア・キャリーの素晴らしい歌唱力で聞けることは、至福の贅沢な時間を過ごせるということに変わりは無い。

アルバムには2010年版“All I Want For Christmas Is You”が収録。そして世界的にニューイヤーのアンセム曲である“Auld Lang Syne(蛍の光)”も収録。ダンストラック風に作り込まれているだけに、今年のDJの現場では個人的にもカウントダウン・パーティーで早速使わせてもらうことになりそうだ。

おすすめ度
☆☆☆

Conya Doss / Blu Tradition

October 8th, 2010

Sep. 2010 Released

以前も紹介したオハイオ州出身の女性アーティスト。個人的にアメリカのインデペンデント系では一番気になる存在。特別に新しい音楽ではないが、純粋に音楽の質が濃く素晴らしい。

ミュージシャンとして自立する前はクリーブランド市立管轄の特別学級教師だったこともあり、音楽を授業に用いたという彼女の手法は、後にリリースされる「A Poem About Ms. Doss」を生み出すきっかけともなっている。そんなコーニャの作り出す空間は知的であり、愛と情熱に溢れ、オーディエンスを惹きつける魅力で一杯だ。

さて、本作は通産5枚目のスタジオアルバムであるが、アルバムを聞いて直ぐに異変に気付いたのは私だけではなく、彼女をこよなく愛するファンなら誰でも感じていることだろう。タイトルの「Blu Tradition」だが、新たに授かった命が彼女に宿り、女性として人間としてミュージシャンとして、ある段階へと彼女を押し上げ、ターニングポイントとなった息子の誕生。Landon Blu と名付けられた最愛の存在に捧げたアルバムは、コーニャの魂を更に人間味を感じずにはいられないネオ・ソウル・アーティストとしての極上の賜物へと変貌を遂げている。

先月9月(2010年)だけでインディーズとしては異例の4000ダウンロード記録したという、アルバムからのヒット・トラック“What We Gon Do”は、何歩も進化したシンガーの姿を映し出す。

自分にとっては、また一生付き合えるアルバムが1枚増えたという感覚。人間で言うなら他人との関係ではなく、ファミリーのように親しみを感じるアルバムである。

おすすめ度
☆☆☆☆☆

The Isley Brothers / Beautiful Ballads

September 27th, 2010

Aug. 1994 Released

1950年代に結成し59年にデビュー以降、現在までに活動を続ける数少ないソウル・レジェンド。50年代と言えば生前のサム・クックが素晴らしい歌を披露し、ビートルズはリバプールにてメンバーの原型が集まり始めた頃。

リリースしたアルバムは30~40枚(誰か正確に知っていたら教えて~)。現在のメンバーはボーカルのロナルド・アイズレーとギターのアーニー・アイズレーだけではあるが、年代をまたいで与える若手への影響力は計り知れない。

当時火がついたヒップホップ・アーティストからのサンプリングを拒まなかったことから96年に再ブームとなり、2006年に脱税容疑で逮捕されるまでにツアーやフィーチャリング、レコーディングを繰り返し、年齢を感じさせないパフォーマンスはここ日本でも拝むことができた。

と、イントロはここまでにして、数多く存在するアイズレーのお気に入りアルバムの中でも今回紹介するのは1973年から85年の間にリリースされた中から、選りすぐりのバラードだけをピックアップしたコンピレーション・アルバム「Beautiful Ballads」。様々な側面を持つ彼らの【人間味】を音楽で表現した素晴らしい作品。アコースティック・ギターの響きとロナルドの繊細な声がなんとも印象的、天気の良い日曜日の朝に聞くと最高の一言!心のしこりをほぐしてくれるマッサージ・ミュージックとでも言うのでしょうか?

もう何年も聞き続けていますが、CDのプレイボタンを押すと、いまだに癒されるひと時を過ごす・・・そんな貴重なアルバムです。

おすすめ度
☆☆☆☆☆

Quincy Jones / Q’s Jook Joint

September 10th, 2010

Nov. 1995 Released

今回紹介するのは、まさにこのブログのタイトルに相応しいタイムレスな音楽をお届けする、1995年発売Quincy Jones(クインシー・ジョーンズ)の「Q’s Jook Joint」というアルバム。コンセプトは89年に発表した「Back On The Block」の続編とでも言いましょうか、アメリカの音楽界を取り仕切る大ボス的な存在である彼が、若くて有能なアーティストを集め、ジャンルの壁を越え贅沢リッチなメロディーを楽しませてくれる内容です。

「Back On The Block」で12歳の天才シンガー、Tevin Campbell(テヴィン・キャンベル)がこの世に姿を登場したように、この作品からはTamia(タミア)という美貌かつ実力派のシンガーがお披露目を果たしました。このアルバムから2年後にあたる97年に「Tamia」というセルフタイトルを付けたアルバムをリリース。クインシーの秘蔵っ子としてデビュー作は注目を浴び、グラミーのノミネート作品にも選出されたほど。

さて、作品の参加アーティストですがこれが多種多様で、ジャンルごとに分野を極めたスゴ腕揃い。DJ ではFunkmaster Flex、Kid Capri、ラッパーにはTöne Löc, Queen Latifah(彼女は現在Jazz シンガーでもありますが・・・)Heavy D、Melle Mel、Coolio、 Yo-Yo、シンガー陣は信じられないほど豪華で、まだ生きていた頃のRay Charlesを始め、Chaka Khan、 Charlie Wilson、Stevie Wonder、Barry White、McKnight、 Rachelle Ferrell、Ron Isley、Aaron Hall、R.Kellyうわ~あり得ないですな。

グループではミュージカル“Stomp”のオリジナル・キャスト・メンバーやTake 6、ポップ界からPhil Collins、ラテン界からGloria Estefan、当時世界最高と名高かったモデルのNaomi Campbell、NBAのバスケ選手からデビューした天才プレイヤーShaquille O’Nealなどなどなどなど・・・・あとは、誰か忘れてないだろうか???

基本的にはクインシーの畑であるジャズがベースとなっているもの、これだけのミュージシャンが集められるのも彼ならではの成せる技。なんせ「We are the World」を仕掛けた張本人ですから。。。。

おすすめ度
☆☆☆☆☆

Kem / Intimacy: Album III

August 31st, 2010

Aug. 2010 Released

05年にリリースしたアルバム「AlbumⅡ」を最後に、音沙汰が全く途絶え、個人的に大好きなアーティストだけに非常に悲しい思いをしていた。が、驚くことに、この度沈黙の3作目をリリース。「Intimacy: Album III」と名付けられたアダルト・コンテンポラリーの真髄、Kemの魅力に迫ってみたい。

本アルバムは2010年9月4日付けのBillboard 200アルバム・チャートにて初登場2位という快挙。もちろん、彼が持っている記録を塗り替える最高位となったのだが、この背景にTV番組などでのプロモーションがあったのか、または何か大きなバックグラウンドがあるのかは定かではない。知っている方がいたら、是非教えて。。。

この2位という記録が何故すごいかと申しますと、同週に発売されているTrace Adkinsというアメリカでは絶大な人気を誇るカントリー・シンガーの新作「Cowboy’s Back in Town」を抑え、更には80年代より精力的に活動しているヘヴィーメタルバンドIron Maiden の「The Final Frontier」も抑え、ロックチャートでは1位、過去にグラミーノミネート経験もあるRay Lamontagne さえも抑えました。

今まではゲストを招いたりすることは無かった彼の作品だが、今回はJill Scottをスピーチ(ボーカルではない)に迎えている他、マービン・ゲイの71年発表「What’s Going on」のプロデュースを務めたDavid Van dePitt が参加。彼はデトロイトのオーケストラを率いた本作からのシングル「Why Would You Stay」のストリングス・アレンジを務めているが、この曲がなんとも素晴らしいバラード曲である。

ジャズ的な要素、ラテン系のリズム・セクション等、これまでの作品と良い意味で変わらない、そして心底癒しを与えてくれる情緒あふれる歌詞、一日の疲れを忘れさせてくれるような音楽・・・今の科学でさえ、これ以上に効く薬はありません。

おすすめ度
☆☆☆☆☆

Alicia Myers / I Fooled You This Time

August 26th, 2010

1982 Released

ミシガン州デトロイト生まれ。9番目の兄弟として生まれ72年にLAへ引っ越した際に本格的に歌を始めたという。79年に当時参加していたデトロイトのグループ“ONEWAY”にて本人が手掛けた’You Can Do It’ がひそかなヒットとなり徐々にキャリアを積んでいく。

ソロに転向した80年代には「Alicia」 (MCA 1981)、「Again」 (MCA 1981)、「I Fooled You This Time」 (MCA 1982)、「I Appreciate」 (MCA 1984)、「Don’t Stop What You’re Doin’」 (MCA 1986) の5作を残している。

個人的な思い入れの強い曲は、本作からのクラブヒットとなり、現在もDANCE CLASSIC として引き継がれている「I WANT TO THANK YOU」だろう。私が10代の時に通っていたニューヨークにあった伝説のクラブ『THE CHOICE』などでLarry Levan(ラリーレイバン)等がよくプレイしていたのを覚えている。ゴスペル要素を含む基本的には女性心を歌った曲だが、男女共感できる歌詞、彼女の透き通るような声を活かしたシンプルな演奏、であって踊りやすく入り込みやすい。恐らく自分の知るダンスクラシックの中でもベスト5と言える名曲。ヒップホップや4つ打ちなどジャンルを抜きにDJ でこの曲を知らない人は失格ですよ。

おすすめ度
☆☆☆☆



「I WANT TO THANK YOU」の試聴はこちらから↑

John Legend / Get Lifted

August 20th, 2010

Dec. 2004 Released

2004年12月にリリースしたジョン・レジェンドのメジャーデビュー作。実際には2002年にニューヨークのS.O.B.で録音されたライブ・アルバムがデビュー作以前の2003年にインディーズ盤で出回っているが、彼の名を世の中に知らしめたという意味では本作『Get Lifted』が事実上のお披露目盤となる。

アルバムは全米アルバム・チャートで最高4位を記録。翌年のグラミーアワードでは「Best R&B Album」を獲得し、更には収録曲の ”Ordinary People” が「Best Male R&B Vocal Performance」ダブル受賞を獲得するという快挙を成し遂げた。

デビューまでの道のりには既に業界入りを果たしR&BシーンをかきまわしていたKanye West(カニエ・ウエスト)のサポートがあったことは忘れてはいけない。カニエと共にアリシアキースのメガヒット曲「You Don’t Know My Name」を手掛けたのは有名だが、その後もカニエのビックヒットとなったデビュー作『The College Dropout』に参加するなど、世界的な規模で知られるアーティストとして成功した。

その後は06年に『Once Again』、08年に『Evolver』とスタジオ・アルバムをリリースしているが、やはりデビュー作というのはリスナーは無論、アーティスト自身にとっても思い入れが深く、ジョン自身もこのアルバムに込めた意気込みは何にも代えがたいだろう。収録曲にはジョンの家族で収録したゴスペル曲「It Don’t Have to Change」など心温まる作品や、恋人に向けた数々のスイート・ソウルが満杯に詰まった作品。

2010年9月にはヒップホップ・バンドのThe Roots(ザ・ルーツ)と共に70年代をモチーフにした、とんでもないアルバム『Wake Up!』が発売されるので期待していただきたい。

新作『Wake Up』のアルバムレビューはソウルピーナッツのオフィシャルサイトで確認できます。

おすすめ度
☆☆☆☆

Dru Hill / Dru Hill

July 30th, 2010

Nov. 1996 Released

ボルティモア出身、シスコをリード・ボーカルにノキオ、ウッディ、ジャズの4名から成るR&Bグループの1996年デビュー作。当時はK-Ci & Jo Jo の成功を知っていただけにシスコのボーカル・スタイルはK-Ci の後追いという評価も多かったが、時間が経過するにつれ彼らグループとしての曲の引き立て方、テイストの旨味の違いに気付いたものだ。

アルバムは全米チャートで最高位23位を記録、収録曲からは「Tell Me」(米シングル総合チャート18位)、「In My Bed」(米シングル総合チャート4位)、「Never Make a Promise」(米シングル総合チャート7位)と新人が放ったアルバムとしては異例の好成績を収めた。

チャート入りを果たせなかった作品以外にも「All Alone」、「5 Steps」などグループの質の高さを伺える音楽論理にかなった楽曲がリスナーの耳には新鮮に映り、更には優れたヴォーカルアレンジを手掛けるシスコ、ノキオのプロデュース能力も評価は買われる。

2002年に3作目となる「Dru World Order」をリリースして以降、グループとしては活動を停止(実質解散状態)となったが、今年2010年にオリジナル・メンバーのWoodyと新メンバーのTaoが入れ替わる形となり、新たな体制で4作目の復帰作をリリースをしている。最新作についてはソウルピーナッツのサイトNew Release をチェック!

おすすめ度
☆☆☆

Musiq Soulchild / Aijuswanaseing

July 22nd, 2010

Nov. 2000 Released

2000年に発売されたミュージック・ソウルチャイルドのデビューアルバム。US国内では180万枚を売上げ、プラチナム・ディスクを獲得。アルバムからのファースト・シングル「Just Friends (Sunny)」はビルボードのシングルチャートで最高31位、セカンド・シングル「Love」は24位を記録。フィラデルフィア発のソウルムーブメント火付け作として歴史に名を残す名盤となった。このアルバムをさかえにネオソウルという言葉を頻繁に耳にするようになったが、ネオソウルは当時ルーツのクエストラヴが主催していたオープンマイク・イベント“ブラックリリー”を通じて広がりを見せ、日ごとにその勢いも強まった。

同じ頃、同郷からJill Scottもデビューを果たしており、互いのアルバムやライブを通じて協力し合い、クオリティーの高い音楽を生み出すことで良い関係を垣間見ることができた。2人の制作に携わったジェームス・ポイザーやピノ・パラディーノ、ヴァイダル・デヴィスはこの時期以前にソウルクエリアンズという集団、またはその前にさかのぼるとア・タッチオブジャズ・プロダクションという制作集団のメンバーでもあり、作品単位で素晴らしい楽曲を残している。

ミュージックがデビューしたての時に西麻布のイエローにプロモ来日し、30分ほどの演奏を行った。全て生楽器でメンバーをフィリーから引き連れたのだが、フィリーのテーマ・ソングとも言える「ロッキーのテーマ曲」に始まり、既に愛聴していた「Love」や「Just Friends」をプレイ。CDではわからなかったパワフルな歌に驚き、更にメンバー全員が黒人だったこともあり、あまりに黒過ぎるサウンドに足が震えたのを覚えている。

演奏後に彼と話す機会があったのだが、実際に会って話をするとジャケットなどではわかりにくいが、彼の片目が失明していることに気付く。何を話したかは忘れたが、派手なパフォーマーというよりはミュージシャンとしての印象が強い。

現在も苦戦を強いられながらもリリースをしてはいるが、前作は2008年に発売した「Onmyradio」が最後となっている。是非とも新作の情報を心待ちにしたいところだ。

おすすめ度
☆☆☆☆

Bob Marley and the Wailers / Legend

July 16th, 2010

May. 1984 Released

今回紹介するのは王道中の王道。ロックはエルビス、ジャズはマイルス、ポップはマイケル、そしてレゲエと言えばこの方ボブ・マレーです。初めて彼の音楽に出合ったのは16歳頃でしょうか?もうかれこれ20年以上も聞き続けていますが、毎回新しい発見があります。

CD3枚、レコード2枚、カセットテープ1本と全く同じアルバムを6枚も持っていまして、自分のコレクションでは最大の重複買いを記録。ある時は数百円で売っているのを見つけ、「こらっ、なんでこんな良いアルバムを安く売るんだョ!」と店員に文句を言いに行ったこともあります。

知っている方には説明の必要がありませんが、知らない方のために説明しますと、本作は彼が36歳の若さでこの世を去るまでにリリースされた数々の名作を集めたベスト盤でして、74年にビルボードで1位を記録した収録曲「I Shot the Sheriff」を始め音楽的、政治的、宗教的な壁をぶち壊した音楽史歴代の大作と言えるでしょう。全14曲、どの曲をとっても意味の深いメッセージが刻み込まれた、いわば聖書のように扱う人々も多いことと思います。

間違っても夏だからレゲエ・・・という価値でこのアルバムを聴いてほしくはありません。音楽を通じて世の中を変えた貴重な作品であり、100年後も語り継がれるタイムレスな音楽であることに間違いはありません。我が家庭では子供にも小さい時から聞かせているので、CDをプレイすると自然に口ずさみますしね。

そんな訳でチャンスのある方はこのアルバムを手にとって、ついでに1曲ずつ歌詞を調べてみるのも良いでしょう。

例えば自分のお気に入り「One Love」は和訳すると重みが伝わりにくいのですが、

One Love, One Heart ひとつの愛にひとつの心
Let’s get together and feel all right みんな一緒に幸せを感じよう

おすすめ度
☆☆☆☆☆

Profyle / Nothin’ But Drama

July 7th, 2010

Oct. 2000 Released

99年にアルバム「Whispers in the Dark」でモータウンよりデビューを果たした実力派4人組。本作は2000年にリリースされたセカンド・アルバムでビルボードのアルバム・チャート50位を記録。当時モータウンの社長を務めていたKedar Massenburgが見定め大切に育てたが、思うようなヒットにはつながらなかったというのが実際のところ。

共に育った2人の兄弟と、その従兄弟が集まり結成されたグループは、教会の聖歌隊で鍛えた喉を武器に、当時マービン・ゲイの追悼アルバム「Marvin is 60」で名曲“What’s Going On”を熱唱したのが初のお披露目。歌いこむスローやミドルテンポのR&Bは、アルバムを手掛けた大物プロデューサーが貢献。ジョーやソウルショック&カリーンなど楽曲作りのセンスはプロファイルの良さを十二分に引き出すことに成功した。

勝負作となった本作「Nothin’ But Drama」はデビューから約1年足らずでリリース。テディーライリーが手掛けたファースト・シングル「Liar」が全米シングル・チャートで14位、R&B/Hip Hopチャートでは1位を獲得。残念ながらその後が続かず、グループ自体もしばらくは音沙汰無しの状態。

2004年に自主制作アルバムを発売し、当時そのアルバムの執筆を頼まれたのだが、その音源を聞いた後でさえ、同じ人物とは思えないほど痩せた音になっていたことに困惑。「Nothin’ But Drama」では当時最も旬のR&Bサウンドとされたスティーブ・ハフが手掛けた楽曲「(Can We) M.A.K.E. L.U.V.」、ベテラン・ライターのロイ・ハミルトン、オールスターやジョーなどが制作したスムースなR&Bナンバーの印象が素晴らしかっただけに、自主制作とプロのブレインによる世間への売込みを比較し、改めて影の力を実感させられた。

ミュージック・ビジネス界ではアーティストを芸術ではなく商品としていることが、現実に起こっている日常である。よってアーティストが商品にならないためには、自らの音楽性は自らが創造し、自らで支配し、それを極めることである。しかし、それを売る行為(ビジネス化すること)は非常に困難である。今に至っての音楽業界は先ずは損益から作品が生まれる現状がただ悲しい。

おすすめ度
☆☆☆

Various Artists / WOW Gospel 2010

June 30th, 2010

Jan. 2010 Released

WOWシリーズはアメリカ国内で非常に重宝されているゴスペル系のアーティストのヒット作をコンパイルする企画もので、これまでに「90年代」、「クリスマス」、「ゴスペル・ナンバーワン」など1度だけのリリース作を含め、様々なトピックで作品を提供。その時の旬を詰め込んだコンピレーション企画が特徴だ。

今回紹介する「WOW Gospel」は1998年からシリーズが始まり、年に1度のタイミングでその年のベスト・コンテンポラリー・ゴスペルを集めリリースを続けているシリーズ作。2010年も1月に発売され、毎週200位まで統計されているビルボード・アルバム・チャートの下の方で長期ランク・インを果たす。要するに年間で考えると地味ながらも売れているアルバムの1種類ということ。

全30曲2枚のCDの内容は以下の通り

Disc 1
1. Souled Out – Hezekiah Walker and The Love Fellowship Choir
2. Back II Eden – Donald Lawrence and The Company
3. Praise Him In Advance – Marvin Sapp
4. Help Me Believe – Kirk Franklin
5. Wait On The Lord – Donnie McClurkin featuring Karen Clark-Sheard
6. Good News – Vanessa Bell Armstrong
7. Faithful To Believe – Byron Cage
8. It Ain’t Over – Maurette Brown Clark
9. God Is A Healer – Kurt Carr and The Kurt Carr Singers
10. Justified – Smokie Norful
11. Waging War – CeCe Winans
12. Cry Your Last Tear – Bishop Paul Morton
13. Bettah – Jonathan Nelson and Purpose
14. At The Revival – Mighty Clouds Of Joy

Disc 2
1. They That Wait – Fred Hammond
2. Saved By Grace – Israel Houghton
3. Here I Am To Worship – Heather Headley
4. I Worship You – Mary Mary
5. Chasing After You (The Morning Song) – Tye Tribbett and G.A.
6. I Look To You – Whitney Houston
7. I Pour My Love – Juanita Bynum
8. I Trust You – James Fortune and Fiya
9. Free – Darwin Hobbs
10. Restored – J Moss
11. Ungrateful – Deitrick Haddon
12. Renewed – Sheri Jones-MoffettI
13. Revealed – Myron Butler and Levi
14. One – Kierra Sheard
15. He’ll Make A Way – RiZen
16. Enter His Gates – Rev. Timothy Wright and The New York Fellowship Choir

ゴスペルが好きな方ならKirk FranklinやCeCe Winansなど、聞いたことのある名前が並んでいることに気づくだろう。今回は私自身も知らないアーティストが2組あり、一度聞いてみるのには良い機会であった。

リストの中にはゴスペル・チャートでランク入りしているトラックも数多く、年間を通じたゴスペル・ミュージック界の動向も伺えるので、参考書的な活用をさせてもらっている。これだけ多くの傑作を集めたゴスペル・コンピは他にないので、自信を持ってお薦めできるシリーズ作です。

おすすめ度
☆☆☆☆☆

Patrice Rushen / Forget Me Nots & Remind Me

June 24th, 2010

May. 1998 Released

 
本名パトリース・ルイズ・ラッシェン、1954年LA生まれ。ソングライター、コンポーザーであると共に本業はセッション・ピアニストである。英才教育で幼少期よりピアノを始め10代で天才ピアニストと称される。72年のモンテレー・ジャズ・フェスティバルにて一気に注目を集め、グラミーアワードでは女性初のコンポーザー/ディレクターとして賞を授与、これまでにジャネット・ジャクソンなどのワールドツアーなどを手掛けた。本人が放ったアルバムは15枚を超え、90年代半ばにはヒップホップ・アーティストから多くの曲がサンプリングされリバイバルを起こした。

今回紹介するのは彼女が残した数々のヒット作を1枚に集約したエレクトラ在籍時代のベスト盤。リバイバル時の98年に発売された15曲入りのアルバムで現在こうして手にとって聞いていても全く色あせることのない音源。どれも名曲ばかりなので、始めてのリスナーには彼女の音楽を知るお試しの1枚として聞いていただけると間違いないだろう。最大のヒットが82年にリリースした「Straight from the Heart」から‘Forget Me Nots’が全米シングル・チャート23位と数字的にはさほどの功績を感じないかもしれないが、当時から現在までのソウル・リスナーで特にコア層に与えた影響は計り知れない。

2010年7月には東京コットンクラブにてドラマーのハーヴィー・メイソンが率いるジャズファンク・バンド「カメレオン・バンド」のキーボーディストとして久々の来日を予定しており、そちらも楽しみ。ひとつだけ補足を付け加えると、ネットなどで見ることができる彼女の写真は相当古いもので、当時のスラっとかわいい風貌とはやや状況が異なり、現在はふっくらモチモチ気味。ライブを見に行く方は「彼女が出演してないじゃねーか!」と誤解をしないように!


↑美人さんだった当時の彼女。。。歌声は小鳥のさえずりと比喩された。

おすすめ度
☆☆☆☆