Erykah Badu / Baduizm

Feb.1997 Released

1997年に彼女のデビュー作「Baduizm」が発表され、当時のR&B界に走った衝撃を今でもはっきりと覚えている。彼女のスタイルは何とも表現しにくかったために、よく引き合いに出された人物がジャズ界のカリスマ・アーティスト‘ビリー・ホリデイ’だろう。実はこのビリー・ホリデイと自分には奥深い過去があり、ビリーの音楽は自分が死ぬ前に聞くべきアーティストとしてリストに入っている。それはいいとして、そんな熱狂的なビリーファンの自分にとって、エリカ・バドゥの出現というのはショックそのものだった。

90年代の中期以降に活動が活発になっていたSoulquarians(ソウルクエリアンズ)のメンバー、Common, D’Angelo, Jay Dee, James Poyser, Pino Palladinoなどの一員としてネオソウル・ムーブメントを仕掛け、世に広めた代表作となったアルバムとも断言できる。彼女のトレードマークでもあるヘッドラップ(頭に巻きつけているターバン)は黒人女性らしさを武器に変え、音楽を通じて強い女性像を訴える、1900年代の最終末を飾る時代の象徴ともなった。

非常に稀なことらしいのだが、数年前に彼女にインタビューをする機会があり、普段は必要以上に口を開かない彼女が、とても軽快に質問に答えてくれ、1時間以上に渡るロングインタビューの中で語った印象的な言葉がある。

「自分が育ったダラスで子供のころに多くの恩恵を受けたように、今は自分がこの場所のために恩返しできるプロジェクトとして、多くの基金を設立し地域貢献に役立てている。」ということ。非常にとっつきにくい彼女の印象を覆し、とてもフレンドリーに接してくれるエリカの前評判を吹っ飛ばした。

2010年4月現在、New Amerykah Part Two (Return of the Ankh)という5作目をリリースし、今まで以上にたくましく、前進のみの思考回路を持ったエリカの人間臭さを伺うことができる。40歳を目前に自身の在り方に絶対的な意思を示すことができる強い女性として、彼女の存在はあまりにもまぶしすぎる。

おすすめ度
☆☆☆☆

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