Archive for the ‘Soul’ Category

Joss Stone / LP1

Sunday, August 21st, 2011

Joss Stone / LP1
2011 Aug. Released

2003年に若干17歳で世界デビュー。彼女自身がブリティッシュということもありイギリスのアルバム・チャートでは4位。アメリカでも39位と決して悪くはない音楽家としてのスタートを切った。しかもトータル的にアルバムの制作を指揮したのがBetty Wrightということもあり、当時彼女について色々な記事を書いた記憶があるので、デビュー作については良く覚えている。

正直に言うと、その作品は1回目に聞く衝撃に比べ、2回目以降に感じる印象がどんどん変わっていった。結局のところ薄っぺらいのだ。作品は歴代ソウルのカヴァー集だったが、特に私の大好きなアイズレー・ブラザーズの「For the Love of You」に関しては聞くに耐えない。。。と感じた。

その後も04年「Mind Body & Soul」、07年「Introducing Joss Stone」を手にとって聞くも、そこまでの印象は残らなかったというのが本音。しかし、本作はどうだろう?この作品は今までと明らかに違う。

彼女のことを70年代のロック女王、ジャニス・ジョップリンと比較するメディアがいるが、それはジャニスが大好きで彼女の自伝を片手にアメリカへ渡った私に言わせれば、彼女が白人という点以外はちょっと違う。特に今回の作品に関しては、完全に彼女が彼女自身のアーティスト性に向き合っている、自信に満ち溢れた姿を映し出している。このアルバムでは彼女は他の誰でもないJoss Stoneである。

つまりのところ、ソウルっぽさを追求しているソウルアーティストにソウルはない。向き合うのは個人としての自分の魂であり、そこを追求するどこかで本物のソウルに出会う。それを感じたのが本作であり、そこに到着した今後の作品は飛躍的に素晴らしい作品になると確信する。


 

Maxwell / Maxwell’s Urban Hang Suite

Monday, August 8th, 2011

1996 Apr. Released

1996年4月にリリースされたMaxwell(マクスウェル)のデビュー作。個人的には2009年までにリリースされている「Embrya」(98年)、「Now」(01年)、BLACKsummers’night(09年)の中でも一番のお気に入りである。

当時はネオ・ソウルと呼ばれ始めた音楽の走りであり、その中にはローリン・ヒルやディアンジェロ、エリカ・バドゥなどが含まれていた。

マクスウェルは90年代の初頭にギターリストのWah Wah Watson共に本作の制作に着手していたが、実際には世の中に発信されるまでに数年が費やされており、レコード会社がそろばんを弾き出すまでの数字合わせが見越されるまでに、辛抱しなくてはならなかったようだ。

だが当時を思い返せば無理もなく、R&Bグループが勢いを増す90年代に、この手の音楽をリリースし、受け入れられるかを見守るのは一種の博打とも言える行為。しかし、そのおかげでソウルクエリアンズといったプロデューサー集団が第二次フィリー・ソウルを生み、ミュージック・ソウルチャイルドやジル・スコットの舞台が用意されたのを考えると、彼をプッシュしたレコード会社の判断は、良質な音楽を愛するコアなリスナー層に大きく貢献したと言える。

アルバムの話に移ろう。音的には70年代の古き良きソウル・テイストを残しつつも、若いころは歌で飯を食うことを考えていなかったというマクスウェル「歌」がアルバムの方向性を位置づけるキーポイントとなっている。そして骨太なベースライン、フェンダーローズの音色は特に印象的。タイトで果てしなく透明なクリアさは、ついついボリュームを右方向へ回してしまう魔力を持つ。

ひとり淋しいベッドタイムでも大活躍「Whenever, Wherever, Whatever」や「Lonely’s The Only Company」など、思いっきりピエロの主役を演じたい時や、枕濡らして眠りに就きたい時にどうぞ!

さあ、こいつを聴いて泣きたい時は思いっきり泣こう!!


Maxwell – Whenever Wherever Whatever

さて歯でも磨いて寝るか・・・ 

Miki Howard / Femme Fatale

Wednesday, June 22nd, 2011

Sep. 1992 Released

1960年9月生まれ、2011年現在50歳シカゴ出身のシンガー。アメリカでは非常に有名なゴスペル・グループ、The Caravans(キャラバンズ)のメンバーでJosephine Howard(ジェゼフィン・ハワード)の娘としても知られている。活動初期はSide Effectのメンバーとして参加経験もあるが、彼女の転機はソロ4作目となる本作。この時代背景には当時ブラック・ムービーの先駆けとして注目の的となったスパイク・リーの映画「Malcolm X」が世間を騒がせており、彼女はこの映画でBillie Holiday(ビリーホリデー)役としてステージに上がり、彼女の十八番「Good Morning Heartache」を披露した。本作にも同曲が収録されているが、オリジナルとは違う角度から感じ取った“悲しきヒロイン”を歌いこなす姿は多くの共感を呼んだ。

2008年までに9作をリリースしているが、素晴らしい歌唱力があるにもヒット曲に恵まれず、歌手としては苦労続き。個人的に今度こそと思い、毎回アルバムを購入するも、なかなか良いと思える作品に仕上がっていないのがつらい。自身で楽曲をプロデュースしない歌手が「その人にとっての作品に巡り会うこと」の難しさが、ここに語られているような気がする。

ともあれ、本作「Femme Fatale」には彼女にとって最高位を記録した“Ain’t Nobody Like You”(全米シングル・チャート64位)が収録。私もこの曲はニューヨーク在住時に毎日ラジオから流れ聞いていたのを覚えている。逆にこの曲を聞くと当時のことを思い出してしまうほど、私にとっては強力な印象が植え付いている。

スライ&ファミリーストーンの“Thank You for Talkin’ to Me Africa”カヴァーあり。制作はKenny Gamble、David Fosterなど素晴らしい面子揃い。ゲストに当時の男性シンガーとしては大の人気者、Christopher Williamsを迎えている。

おすすめ度
☆☆☆

 

Anthony Hamilton / Comin’ From Where I’m From

Tuesday, June 14th, 2011

July 2003 Released

音楽の性格上、彼の得意とするソウル・サウンドというカテゴリーが時代とミスマッチしていることもあるのだろうか、ミュージシャンとして非常に苦労人であることは事実。1971年1月生まれ、現在40歳ノースキャロライナ出身のシンガーソングライター。

93年、当時勢いに乗っていたアップタウン・レーベルと契約するもリリースは破棄。レディ・ガガだって若いころにデフジャムとの契約が流れた話があるんだから、この世界では珍しくないのだろうけど、夢抱く叩き上げ系のミュージシャンにとっては死活問題。まわりまわってようやくリリースに至ったのが10年後2003年の本作となる。よくも諦めずに気力を持ち続けたことだと思うが、その後に授かった数々のアワードでのノミネートや受賞を考えると、アンソニーの人生は結果的に強運だったことを実証している。

作品の話に移るが、アルバムはジャーメイン・デュプリの“So So Def”レーベルからリリースとなったもの、ジャーメイン色は影もなく、アンソニー自身の音楽性を十分に発揮できるよう環境が配慮されているようだ。本アルバム最大のヒットとなった「Charlene」はシングル総合チャートで19位、R&Bチャートで3位と地味ではあるが、彼のような土臭いソウル・ミュージシャンが現代に出せる結果としては最高の形だ。私自身もこの曲を初めて聞いた時は同じ音楽を志す人間として同じような経験があっただけに胸に刺さる想いをした。歌の内容としてはこのようなことだ。

朝、目が覚めたら彼女からの手紙を見つけた。
ボクがいつも音楽の仕事で外に出ているから「もう疲れた」という内容だった。

という歌いだしで始まり、この女性を一人ぼっちにしてしまったことを後悔し、ひたすら待っている男の姿を描いている。極めつけは曲の最後に歌う「もし、これを聞いていたら、直ぐにでも連絡を欲しい・・・」とアドリブをかますパートは特に痛々しい。

他のお気に入りはLatoiya Willams(この女性リリース記録は無いもの素晴らしい才能の持ち主)とのデュエット曲「My First Love」もタイムレスな名曲として是非とも聞いていただきたい作品。

おすすめ度
☆☆☆☆

Aaron Hall / The Truth

Thursday, May 5th, 2011

Sep. 1998 Released

テディーライリーと共にニュージャック・スイングというジャンルでひとつの時代を築いたグループ、Guy (ガイ)のリードシンガー。Charlie Wilsonが大好きな私にとって、オンタイムで肌に感じてきたアーロン・ホールはこの上ない存在だ。1万人にひとりの才能とも言われた天才的な歌いっぷりは、父親が牧師であり幼少期より教会で鍛えられた強靭な喉、そしてゴスペル精神に準ずる心の底からの叫びがベースにある。

今回紹介するのは彼がGuyでの活動を終え、1993年9月に初のソロ作としてリリースした「The Truth」というアルバム。全米アルバム・チャートでは最高47位という結果ではあったが、収録曲からは地味ながらもR&Bファンにとって涙のこぼれるような素晴らしい曲が生まれた。

まずは彼のソロ・キャリアで一番のヒットとなった曲 “I Miss You”はR&Bシングル・チャートで2位、全米シングル・チャートでは14位を記録。個人的にも一番好きな曲で、Guy時代には表現しきれなかった豪快なバラードとして歌い上げることに成功している。この曲について語らせると原稿用紙10枚分は軽く話せてしまうほど、私にとっては魅力的。恐らくもう何千回と聞きまくったが、いつ聞いても新鮮で毎回新しい発見をするほど惚れ込んでいる。

他にもイントロダクションから始まる “Don’t Be Afraid” や “When You Need Me”等のバラードも絶句。ニュージャック志向、ガイの面影が強い“Do Anything”、“Open Up”は引き続きファンを喜ばせた。

このアルバム以降もInside Of You (1998)、Adults Only(2005)と作品をリリースしたが、ファンとして飛びついて買ってはみたもの、楽曲に恵まれず残念な作品に終わってしまった。紛れもない事実といえば、この時代のナンバーワンを誇るシンガーとして、現在第一線で活躍するアーティストに多大な影響を与えたということは断言できる。

おすすめ度
☆☆☆☆☆

↑このビデオ「I Miss You」は当時注目されました。結構なドラマ仕立てで、若干臭さもあるのだが、それがまたイイんだよね。ちなみにCDのフルバージョンとは違い、音楽の方は物足りない感じです。

Joonie / Acoustic Love

Monday, April 18th, 2011

Jan. 2011 Released

以前、私のLive365 Radioに音源を送ってくれたことから「Nut4Tracks」のブログでも紹介したことがあるアーティストCalvin “Joonie” Garyのデビュー作をご紹介。

インディーズ・アーティストとして活動するJoonie(ジューニー)は81年ジャクソンビル生まれのR&Bアーティスト。10代でピアノやギターの練習に明け暮れ楽器をマスターしたらしい。これまでにElliot Yamin, Ruben Stoddard, Nappy Roots の制作やアレンジにて経験を積んだ人物。70年代のソウル・サウンドを彷彿させるメロウな曲作りが出来る貴重なアーティストだ。こんな素晴らしいアーティストを日本デビューさせるなんて、発売元エイベックスの担当者に感激のメールを送ったのだが、今のところ何も返事が無い。

ただいま(2011年4月現在)、彼のMyspaceサイトを訪ねてみるとアンジー・ストーンとのデュエット曲で「Irresisitible You」という曲が聞けるので、まずはチェックしていただきたい。

パーティーソングが主流の今のアメリカで、こういったコアな音源を売るには困難を伴うのだろうが、一部の日本人やヨーロッパのソウルフリークにはたまらない質感。ギーターや鍵盤で薄く味付けをしたシンプルなバックに、メロディー勝負で訴えかけるスタイル・・・・たまりませんな。

ただのシンガーと言うよりは、ソングライターが自分の作った曲を大切に歌っているといった印象が強い。ファルセット・ボイスで歌い上げるバラード曲は女心はもとより、男心さえも殺しかねないほど、クールに熱っぽい。

おすすめ度
☆☆☆☆

Teena Marie / Greatest Hits

Thursday, December 30th, 2010

Jun. 2000 Released

2010年12月26日に急死が伝えられ、54歳という若さでこの世を去ったシンガーソングライター、Teena Marie。彼女の娘が昼寝中のティーナの顔色異常に気付き救急車を呼んだとのことだったが、既に手遅れだったとのこと。ドラッグや殺人などではないことは確からしく、現在は原因の究明に急いでいる。

リック・ジェームスのバックアップのもと80年代に才能が開花し、モータウン・レコードやエピック・レコードなどから通産13枚の作品をリリース。白人ながらファンク・ミュージック界においてブラック・コミュニティーから圧倒的な支持を受け、彼女の書いた「Ooo La La La」は、ローリンヒルが属したフージーズの大ヒット曲「Fu-Gee-La」にて大きく取り上げられる等、その後のヒップホップ・アーティストにもサンプリング活用された。

近年は彼女に対するリバイバルが密かに巻き起こっていた最中で、2004年には絶頂期のキャッシュマネー・レコーズと契約を交わし、アルバム「La Dona」でシーンにカムバック。06年に「Sapphire」は全米アルバム・チャートで24位を記録。昨年は再帰を果たしたスタックス・レーベルより「Congo Square」をリリースし、近日中にもキャッシュマネーが新たに設立した「キャッシュマネークラシック」よりアルバムが発売される予定となっていた最中の出来ごとだけに、ファンとして悔しい気持ちで一杯だ。

おすすめ度
☆☆☆☆

Conya Doss / Blu Tradition

Friday, October 8th, 2010

Sep. 2010 Released

以前も紹介したオハイオ州出身の女性アーティスト。個人的にアメリカのインデペンデント系では一番気になる存在。特別に新しい音楽ではないが、純粋に音楽の質が濃く素晴らしい。

ミュージシャンとして自立する前はクリーブランド市立管轄の特別学級教師だったこともあり、音楽を授業に用いたという彼女の手法は、後にリリースされる「A Poem About Ms. Doss」を生み出すきっかけともなっている。そんなコーニャの作り出す空間は知的であり、愛と情熱に溢れ、オーディエンスを惹きつける魅力で一杯だ。

さて、本作は通産5枚目のスタジオアルバムであるが、アルバムを聞いて直ぐに異変に気付いたのは私だけではなく、彼女をこよなく愛するファンなら誰でも感じていることだろう。タイトルの「Blu Tradition」だが、新たに授かった命が彼女に宿り、女性として人間としてミュージシャンとして、ある段階へと彼女を押し上げ、ターニングポイントとなった息子の誕生。Landon Blu と名付けられた最愛の存在に捧げたアルバムは、コーニャの魂を更に人間味を感じずにはいられないネオ・ソウル・アーティストとしての極上の賜物へと変貌を遂げている。

先月9月(2010年)だけでインディーズとしては異例の4000ダウンロード記録したという、アルバムからのヒット・トラック“What We Gon Do”は、何歩も進化したシンガーの姿を映し出す。

自分にとっては、また一生付き合えるアルバムが1枚増えたという感覚。人間で言うなら他人との関係ではなく、ファミリーのように親しみを感じるアルバムである。

おすすめ度
☆☆☆☆☆

The Isley Brothers / Beautiful Ballads

Monday, September 27th, 2010

Aug. 1994 Released

1950年代に結成し59年にデビュー以降、現在までに活動を続ける数少ないソウル・レジェンド。50年代と言えば生前のサム・クックが素晴らしい歌を披露し、ビートルズはリバプールにてメンバーの原型が集まり始めた頃。

リリースしたアルバムは30~40枚(誰か正確に知っていたら教えて~)。現在のメンバーはボーカルのロナルド・アイズレーとギターのアーニー・アイズレーだけではあるが、年代をまたいで与える若手への影響力は計り知れない。

当時火がついたヒップホップ・アーティストからのサンプリングを拒まなかったことから96年に再ブームとなり、2006年に脱税容疑で逮捕されるまでにツアーやフィーチャリング、レコーディングを繰り返し、年齢を感じさせないパフォーマンスはここ日本でも拝むことができた。

と、イントロはここまでにして、数多く存在するアイズレーのお気に入りアルバムの中でも今回紹介するのは1973年から85年の間にリリースされた中から、選りすぐりのバラードだけをピックアップしたコンピレーション・アルバム「Beautiful Ballads」。様々な側面を持つ彼らの【人間味】を音楽で表現した素晴らしい作品。アコースティック・ギターの響きとロナルドの繊細な声がなんとも印象的、天気の良い日曜日の朝に聞くと最高の一言!心のしこりをほぐしてくれるマッサージ・ミュージックとでも言うのでしょうか?

もう何年も聞き続けていますが、CDのプレイボタンを押すと、いまだに癒されるひと時を過ごす・・・そんな貴重なアルバムです。

おすすめ度
☆☆☆☆☆

Bob Marley and the Wailers / Legend

Friday, July 16th, 2010

May. 1984 Released

今回紹介するのは王道中の王道。ロックはエルビス、ジャズはマイルス、ポップはマイケル、そしてレゲエと言えばこの方ボブ・マレーです。初めて彼の音楽に出合ったのは16歳頃でしょうか?もうかれこれ20年以上も聞き続けていますが、毎回新しい発見があります。

CD3枚、レコード2枚、カセットテープ1本と全く同じアルバムを6枚も持っていまして、自分のコレクションでは最大の重複買いを記録。ある時は数百円で売っているのを見つけ、「こらっ、なんでこんな良いアルバムを安く売るんだョ!」と店員に文句を言いに行ったこともあります。

知っている方には説明の必要がありませんが、知らない方のために説明しますと、本作は彼が36歳の若さでこの世を去るまでにリリースされた数々の名作を集めたベスト盤でして、74年にビルボードで1位を記録した収録曲「I Shot the Sheriff」を始め音楽的、政治的、宗教的な壁をぶち壊した音楽史歴代の大作と言えるでしょう。全14曲、どの曲をとっても意味の深いメッセージが刻み込まれた、いわば聖書のように扱う人々も多いことと思います。

間違っても夏だからレゲエ・・・という価値でこのアルバムを聴いてほしくはありません。音楽を通じて世の中を変えた貴重な作品であり、100年後も語り継がれるタイムレスな音楽であることに間違いはありません。我が家庭では子供にも小さい時から聞かせているので、CDをプレイすると自然に口ずさみますしね。

そんな訳でチャンスのある方はこのアルバムを手にとって、ついでに1曲ずつ歌詞を調べてみるのも良いでしょう。

例えば自分のお気に入り「One Love」は和訳すると重みが伝わりにくいのですが、

One Love, One Heart ひとつの愛にひとつの心
Let’s get together and feel all right みんな一緒に幸せを感じよう

おすすめ度
☆☆☆☆☆

Patrice Rushen / Forget Me Nots & Remind Me

Thursday, June 24th, 2010

May. 1998 Released

 
本名パトリース・ルイズ・ラッシェン、1954年LA生まれ。ソングライター、コンポーザーであると共に本業はセッション・ピアニストである。英才教育で幼少期よりピアノを始め10代で天才ピアニストと称される。72年のモンテレー・ジャズ・フェスティバルにて一気に注目を集め、グラミーアワードでは女性初のコンポーザー/ディレクターとして賞を授与、これまでにジャネット・ジャクソンなどのワールドツアーなどを手掛けた。本人が放ったアルバムは15枚を超え、90年代半ばにはヒップホップ・アーティストから多くの曲がサンプリングされリバイバルを起こした。

今回紹介するのは彼女が残した数々のヒット作を1枚に集約したエレクトラ在籍時代のベスト盤。リバイバル時の98年に発売された15曲入りのアルバムで現在こうして手にとって聞いていても全く色あせることのない音源。どれも名曲ばかりなので、始めてのリスナーには彼女の音楽を知るお試しの1枚として聞いていただけると間違いないだろう。最大のヒットが82年にリリースした「Straight from the Heart」から‘Forget Me Nots’が全米シングル・チャート23位と数字的にはさほどの功績を感じないかもしれないが、当時から現在までのソウル・リスナーで特にコア層に与えた影響は計り知れない。

2010年7月には東京コットンクラブにてドラマーのハーヴィー・メイソンが率いるジャズファンク・バンド「カメレオン・バンド」のキーボーディストとして久々の来日を予定しており、そちらも楽しみ。ひとつだけ補足を付け加えると、ネットなどで見ることができる彼女の写真は相当古いもので、当時のスラっとかわいい風貌とはやや状況が異なり、現在はふっくらモチモチ気味。ライブを見に行く方は「彼女が出演してないじゃねーか!」と誤解をしないように!


↑美人さんだった当時の彼女。。。歌声は小鳥のさえずりと比喩された。

おすすめ度
☆☆☆☆

Omar / For Pleasure

Wednesday, March 24th, 2010

May. 1995 Released

本名Omar Lye-Fook UKソウルのインディーズ・シーンでは知る人ぞ知るベテラン。日本にも何度か来日し、多くのファンを囲っているが北米での知名度は残念ながら低い。音楽業界を取り巻く環境を比較した時にアメリカ人とイギリス人では、後者の方が古くからの伝統的なソウルミュージックに対する敬意が深く、オマーもまたその一人であり、古き良き70年代ソウルをベースとした個性的なフューチャーミュージックを創造する第一人者であると確信している。

彼とは対面インタビューや電話でのインタビューを通じて、楽曲を制作する時のインスパイア法について尋ねたことがあるが、その手法は驚くもので、彼の第一印象からは想像できない聖域でインスピレーションを感じ取っているのだという。(残念ながら日本の公のネット上では、その方法についてお伝えできない。)

今回紹介する作品は、個人的にはCDに穴が開くほど聞き込んだアルバム「For Pleasure」。1994年彼が25歳の時にリリースした3作目で、その後のオマーの行くべき道しるべを示したターニングポイントにあたる作品とも言えよう。

制作はもちろん、これまでのように彼がトータルに手掛けていることは変わりはないが、参加したソングライターにレオン・ウェアのクレジットが見られる他、同郷の女性シンガーでミーシャ・パリス、ジャズから第一線のアーティストまで現役でサポートしているベーシストのネイザン・イースト、同じくUSのスタジオミュージシャンでベテラン・キーボーディストのデヴィッド・フランク、UKの名ソングライター、レイ・ヘイデンなどサポート役ながらスゴ腕をずらりと揃っている。私が思うにはオマーの独創性を伸ばしながらも、やわらかくブレンドするには絶好のメンバーだったと考える。

その後も素晴らしいアルバムをリリースし続けているが、2010年3月時点の現在では数年間音沙汰なしといった具合でやや心配・・・誰もマネのできないクリエイティブな音楽が次に届けられるのはいつだろう?

おすすめ度
☆☆☆☆

Stevie Wonder / Hotter Than July

Tuesday, December 15th, 2009

Sep. 1980 Released

スティービーワンダーが1980年に発表した20作目(くらい?)の作品。アルバムからは4曲のチャートインを果たしているが、名曲「Lately」をはじめ「Master Blaster (Jammin’)」、「I Ain’t Gonna Stand for It」、「Did I Hear You Say You Love Me」がシングル部門で名声を上げると共に、アルバム自体もR&Bチャートで13週間1位を記録するなど、彼の作品を代表する「Songs in the Key of Life」に並ぶ名作と言われている。

ヒット曲以上に意味を持つということで、今回ご紹介させていただきたいのは、このアルバムの収録曲である「Happy Birthday」は一見誕生日の曲のようで、実際にも一般の黒人家庭では誕生日の定番ソングとなっているが、スティービーが当時、非暴力主義で人種差別に取り組んだMartin Luther King に捧げた曲としても有名だ。キング牧師の誕生日にあたる1月15日をアメリカの休日にしようと(現在は実際にそうなっている)各地にてキャンペーンを行い歌った名曲である。ルーサーキング牧師の有名なスピーチ「I Have A Dream」が語られ、スティービーのように音楽を通じて立ち上がった人間がいたからこそ、現在のオバマ政権が成り立っていることを歴史の観点から物語っている現実から目をそらすことはできない。そういった意味でもこのアルバムは私自身の中でも思いいれが深い。

私がこのアルバムを知ったのは80年の当時ではなく、88年になるが、当時ニューヨークのナイトクラブに入り浸りだった頃に収録曲の「All I DO」を必ずプレイするDJが存在し、彼のことが大好きだった。(ちなみにDJ BasilというハウスDJ。)

当時は「We are the world」やボブ・マリーのようにミュージシャンが政治を動かした時代の背景があるが、このアルバムが果たした貢献度も今一度見つめなおしたいと思い、お勧めさせていただくと共に、単に音楽的にも素晴らしい作品である。

私は親しい知り合いの誕生日には、自分のお気に入りのCDをプレゼントをするのが最良の善意と考えているが、このアルバムも既に数名の友人の手に渡っている。

おすすめ度
☆☆☆☆

Freddie Jackson / Privat Party

Wednesday, December 2nd, 2009

Feb. 1995 Released

Luther Vandross(ルーサー・ヴァンドロス)などと同類に、80年代を代表するブラック・コンテンポラリーの立役者となったフレディー・ジャクソン。2009年12月現在でライブやクリスマス・アルバムを含めると13作をリリースしているが、今回紹介するのは95年に発売された8作目のスタジオアルバム。1956年ハーレム育ちで現在は53歳、このレコーディング当時は39歳だったことになるが、男の人生で一番脂がのり(肉体的にではなく・・・)音楽のキャリアもベテランの域に達した時期といえる。

銀行で働きながら音楽活動をしていた青年期。後にMystic Merlinというソウルバンドに加入し、アルバム「Full Moon」にて数曲を披露している。ソロデビューは85年でアルバム「Rock Me Tonight」はビルボードのR&B Album Chartで見事1位を獲得、アルバム総合チャートでも11位という輝かしいデビューを飾った。代表曲には「You are my Lady」、「Rock me tonight」、「Tasty Love」など80年代中期以降に飛ばしたヒットは数多い。90年代はコンスタントにアルバムをリリースし、定着したコアなファンを裏切らないクオリティを保つが、イマイチ大きなヒットに恵まれないのも現状で、現在はマイナーレーベルながらも活動を続けている。そして今回紹介する作品も大きなヒットにはならなかったが、地味に素敵なアルバムでコアなフレディーファンには申し分のない作品だ。

「Private Party」は彼の最後のメジャー作だったが、リリース週にアルバム総合チャートで188位をという不発な記録で終わる。時代はニュージャック終盤、ベイビーフェイスやテディライリー全盛期でR&B業界では、ボーカルグループが世の中を騒がせていた。そんな逆境にも屈せず、フレディー節を貫いた本作にはBarry Eastmond(バリーイストモンド)を中心に制作、Gordon Chambers(ゴードン・チャンバーズ)が制作したタイトル曲「Private Party」や今は亡きGerald Levert(ジェラルド・レバート)が残した「Rub up against you」等、フレディの熱い歌が際立つ密かな名作が収録。今現在、手にとって聴いても時代を超越して感動をする傑作だと感じる。

おすすめ度
☆☆☆

Mint Condition / The Collection (1991-1998)

Tuesday, November 17th, 2009

Jun. 1998 Released

80年代の前半にミネアポリスを拠点に活動を始めた最初で最後のR&Bバンド。メンバーは09年の11月現在でStokley Williams(vo.)、Ricky Kinchen(bass)、Homer O’Dell(gt.)、Larry Waddell(piano)、Jeffrey Allen(sax)の5名。Jimmy Jam and Terry Lewis(通称ジャム&ルイス)に発掘され、91年に「Meant to be Mint」でデビュー。これまでに7作を発表しているが、05年からはメジャーを離れ、インディーズながらも根強いファンに支えられ活動をしている。

ご紹介する作品はタイトルが示すように91年から98年までのヒット作を集めたベスト盤である。今までの最高のヒット曲はデビュー作に収録され92年に34週にわたりチャート入りを果たした「Breakin’ My Heart」(Pretty Brown Eyes)がビルボード・シングル最高6位にランクイン。Amerie(エイメリー)の「In love & War」からセカンド・シングル用にカットされた「Pretty Brown」featuring Trey Songz元ネタの曲でもある。

ジャム&ルイスの元を離れてからは大きなヒット曲は出ていないもの、ファンのみぞ知る素晴らしい曲を書き続けていることも事実、まずは今回紹介しているベスト盤を聴いていただき、彼らの奥深さを知っていただきたい。

彼らの来日コンサートに行ったことがあるが、ボーカルのストークリーが繰り広げるステージは非常に音楽的で、バンドであるがゆえの作品力、演出力は群を抜く素晴らしさを感じた。06年には彼らのステージを収録した「Live from the 9:30」というタイトルのCDが発売され、バンドの価値はライブで決まることを証明してくれた音源だと確信させられる。なお、この作品は同時にDVDもリリースされているので、そちらの方がより一層魅力のあるものなのは言うまでも無い。

何故、彼らのようなR&Bライブバンドがこれ以上出てこないのかは不明だが、本来の音楽の楽しさを味わいたい方には是非ともお奨めしたい一枚である。

おすすめ度
☆☆☆☆

Myron / Free

Wednesday, September 23rd, 2009

Jun. 2004 Released

クリーブランド州出身のコンポーザー兼アーティスト。教会で牧師を務める父親を持ち、幼い頃はその父親の元でオルガンやドラムなどを習得。バークリー大学でエンジニア科を専攻しジャズやゴスペルを学んだ彼は卒業後にカヴァーバンド等を転々とし、生計を立てていたようだ。Dru Hill のアルバム参加を経て、同レーベル(アイランド)から98年に「Destiny」でデビューするも、アルバムのプロモーションはアイランドのレーベルの閉鎖と共に打ち切られ、ほとんどお蔵入り状態に・・・世の中には才能があっても運の悪いアーティストが数多く要れど、彼ほど洗練された音楽的なセンスを持つアーティストがチャンスを失っていくのは心苦しいばかりだ。

本作はその後自主レーベル「Mojamusic」を立ち上げ、自ら制作に打ち込み完成させたアルバム。メジャーでの経験は残念ではあったが、その経験があったからこそ、ここでの素晴らしい仕事振りにつながったことを考えると、そう悲観的に考えることもないのだろうか?アルバムはトータル・バランスに優れ、70年代ソウルに影響を浴びた完成度の高い作品となった。大学時代に知り合ったJosh Honigstock との共作で、彼自身は制作を始めギターやシンセサイザーなど一連の楽器のアレンジにまで深く関わり、隅々にまでこだわりぬいた自己表現作となっている。

ここまでのクリエイティブ・コントロールが全て叶ったからこそ、完成した本作には愛情がたっぷり込めてあり、歌の節々にも情熱に満ちたキーワードが散りばめられている。

No other love more precious  こんなに大切な愛はない
No other love more ture こんなに真実味を帯びた愛はマジない
No better way to tell you これ以上の伝え方はないハズ
How Much i do love you  メッチャ愛しているかってことを
収録曲 「No Other Love」より

 

おすすめ度
☆☆☆☆☆

Kem / Kemistry

Monday, August 31st, 2009

Feb. 2003 Released

ナッシュビル生まれ、デトロイトを拠点に活動するR&Bアーティスト。ジャジーでこれまでにないスムースなミディアム・スロー音源を特徴に、09年時点で通産2枚のアルバムをリリースしており、今回紹介するのはデビュー作となる。アルバムをリリースした当時は、あまりの完成度の高さに驚き、私自身、某紙のレビュー記事にて賞賛を送ったことを覚えているが、実はこのアルバムはアマチュアとして活動していたKem(ケム)が、地元の美容院やレストランなどに売り込み自らの手で10000枚を売り上げたことで噂になり始め、ついには2003年にモータウンからデビューするまでに至った作品だ。なかなかの苦労人で路上生活まで送った経験を持つ彼は、自身の音楽についてこう語る。「ボクの音楽はヒットチャートの一線に並ぶような音楽じゃないけど、ボクの音楽を必要に感じてくれる人に届けばいいんだ。」

チャートの動向を伺うと、アルバムをリリースした03年にBillboard の「Heatseekers」(※実際のチャートインには関係なく、ランク外のアーティストで最も期待度の高いアルバムを計るチャート)で1位を獲得後、リリースから多少の時差を生じて翌年のR&Bアルバム・チャートで14位という高記録を獲得した。制作は自身によるセルフプロデュースで、アマチュア時代に制作した音源10曲をそのまま利用。どの曲もデビュー作の領域を超え、彼の人生=苦悩を表現したアーティスティックな作品となっている。生楽器をメインに洗練されたサウンドと彼のクリアな歌声は聴く回数を増すごとに魅力が募る。忙しない毎日を送る我々に癒しを与える無二のコンテンポラリーR&Bサウンドとして、普段の生活の中で彼の音楽と付き合っていただきたい。

おすすめ度
☆☆☆☆

Kenny Lattimore / From the Soul of Man

Tuesday, August 4th, 2009

Oct. 1998 Released

1998年に発売されたこのアルバムはビルボードのアルバムチャート71位という、商業的には成功した作品ではなかったが、一部のソウルファンにとっては心に残るアルバムとなった。私個人的にも98年から今までお付き合いしているアルバムだが、聞き込むほどに味が出てくるような、素晴らしい作品だと強く思う。

まずはこの作品に携わっている制作陣に注目したいのだが、これが本当に素晴らしい!今では考えられない組み合わせだが、フィリーソウルのプロデューサー群、まだタッチオブジャズと名乗っていた頃のヴィダル・デイヴィスとキッパージョーンズ(彼自身は元TEASEのメンバーで1枚のソロ作をリリースしている、知る人ぞ知るアーティスト)が半分、他にもバリーイストモンド、ダリル・シモンズ、ジェイムス・ポイザー等の名だたる面々・・・ アルクーパー作の「I Love You More Than You’ll Ever Know」はダニーハザウェイのカヴァー、そこでオルガンを弾いているのが、なんとフランク・マッコム!(ダニーハザウェイの再来と言われている人物です)と、驚きを隠せませんな。

非常に地味な作風ながらも恵まれた制作陣と、ナンと言っても彼の優れた歌唱力がアルバムを通じて、完成度の高い歴代名作を生み出した・・・と言ってもこのアルバムは過小評価され過ぎですが。
ハイライトはオーケストラを起用したゴスペル曲「Well Done」。歌詞は疑問を投げかけ、そしてアレンジがとにかく美しい。ボーカルの旋律も、ある領域を超えた美しさ、音楽が終わった後には心が空っぽになってしまう・・

ブロードウェイ出身のへザーヘッドリー(このレビューでも紹介済みです)とのデュエット、ライオンキングの「Love Will Find a Way」で締めくくり、一本の大作映画を見終えた時のような気持ちの良さでスッキリ。こりゃ、アンコールでもう一回最初からとなりますよ。

時代を超えて残るアルバムというのは数少ないが、これほどの出来を誇るアルバムがあまり紹介されていないことが悔しくて、こんなブログを書いているのかもしれませんね。。。。

おすすめ度
☆☆☆☆☆

Syleena Johnson/Chapter1:Love,Pain&Forgiveness

Tuesday, July 7th, 2009

Apr/ 2001 Release

2009年7月現在までメジャー通産4枚をリリース。チャプター1から4までシリーズ化された彼女の人生のテーマについて綴られたアルバムだ。アルバムはすべて所有しているが、その中でも筆者の特別お気に入りがこのファーストアルバム。実父シル・ジョンソンが彼女の歌に与えた影響は計り知れず、以前にインタビューした時に「お父さんのギターがいつも家で流れていて、小さい頃はいつもギターのフレーズを口ずさんでいた」と語っていたのが印象的だった。確かに彼女の歌を聞いているとブルースギター特有のチョーキングやギタースケールのようなアドリブの多さに気付くはず。

そんな父親を持ってか非常に恵まれた音楽環境で子供の頃はアレサフランクリンやティナターナーなどを聞いて育ったらしく、最近のR&B系シンガーにしては珍しく、60年代の香りをプンプン漂わすところは彼女の不思議な魅力のひとつ。シカゴを拠点に構えることが遭遇してか、この記念すべきファーストアルバムのハイライト曲には同じシカゴからRケリーのプロデュースが一際光り輝く存在となっている。当時のRケリーと言えばプロデュースに引っ張りだこの時代で、もっともハングリーだった。信じられないほどのプロデュース量をこなし、ヒット曲を連発させていた黄金期である。結果的にRケリーが制作した収録曲「I Am Your Woman」はヒットさえしなかったものの、それはOKなのだ。素晴らしい筆跡としてこうしてアルバムに収録されているのだから・・・

他にもボブパワーが収録曲の8割に関わっているのも注目すべき点。彼がここまで熱を上げたアーティストは、この辺りの時代では彼女だけだ。アルバムチャートでは101位という結果だったが、一般的に評価はさておき、個人的には2001年の最高作として取り上げたい1枚。

当時、初来日のプロモーションでは西麻布のイエローで数曲を披露した。熱唱する姿は数日間、頭から離れないほど印象的だった。

おすすめ度  
☆☆☆☆

Carol Riddick / Moments Like This

Wednesday, June 10th, 2009

Aug. 2006 Released

個人的にここ15年くらいで確立されたフィリー(フィラデルフィア)発祥のソウル・ミュージックには強い関心を持っているが、地味ながらも素晴らしい完成度の作品が彼女のファーストアルバムだ。

彼女の経歴を見ると、古くはWill Smith and Jazzy Jeffのツアーメンバーとしてキャリアをスタートさせ、後にはAnthony Hamilton, Jill Scott, Norman Brownといった実力派アーティストのレコーディングにバックボーカルで参加。ソングライティングにも力を入れ、Musiqなどに曲を提供するなど奇才ぶりをアピール。その才能は高く評価され、地元の有力プロデューサーJames Poyserを中心に立ち上げたAxis Music Group より2006年にデビュー。日本での反応は今ひとつだったが、個人的には最高の作品だと自信をもってお奨めできる!

アルバムの収録曲で最も心を打たれるのがTrack⑦の「All I Wanna Be」というミッドスロー。彼女の曲はどれも私生活から書き下ろしたものが多いが、この作品は愛する娘に捧げた一曲。世界の境界線を越えて、同じ娘を持つ親であれば共感すること間違いない。ラリーゴールドのストリングスをバックにやさしく歌うキャロル・・・終盤の感動的なアレンジ、信じがたいほどの繊細な表現力でアドリブをかます。CDのリピート機能を使って何度リプレイしても同じ感動を味わう。

素敵な音楽があることに感謝。だから毎日がんばれるのです!

おすすめ度
☆☆☆☆