Archive for the ‘Hip Hop’ Category

Various Artists / Juice -Sound Track-

Thursday, May 19th, 2011

Dec. 1991 Released

1991年の年末にリリースされ、翌年にはアルバム・チャートにて17位を記録。RIAAの正式記録でゴールド(50万枚)のセールスとなり、サウンドトラックをコンピレーション形にしたアルバムで初めて成功を収めた。それまでの映画のサントラと言えば、映画のシーンごとに使用される曲を寄せ集めただけの作品が多く、ヒップホップ・アーティストが商業的な意味で音楽を売り出す目的とは違っていたように思う。これを機に数年の間にブラックムービーとそのサントラが立て続けに世に送られたが、個人的には本オリジナル盤を越える内容は出ていない。

トラックリストにはNaughty by Nature の”Uptown Anthem”に始まり、Eric B. & Rakim の”Juice (Know the Ledge)”、Aaron Hall の”Don’t Be Afraid”など当時のヒット曲を含め、このアルバムで正式なリリースとなったTeddy Riley & Tammy Lucas”のIs It Good to You”などもある。余談だが、このTammy Lucasさんと言う女性ボーカリストはテディの秘蔵っ子としてデビューも予定されていたが、決して作品が世に出回ることはなかった。素晴らしく透き通った声の持ち主で、個人的に大好きだったのだが・・・・
その他の収録曲はMC Poohの”Sex, Money & Murder”、Big Daddy Kane の”Nuff Respect”、EPMD の”It’s Going Down”、Too Short の”So You Want to Be a Gangster”、Cypress Hill “Shoot ‘Em Up”やSalt-n-Pepa の”He’s Gamin’ on Ya’”など、どれも当時を代表するヒップホップ・アーティスト達。
そして極めつけは、この映画の内容とキャスト達。特に主演を務めたTupac ShakurとOmar Eppsが当時のゲットーキッズに与えた衝撃は計り知れない。実際に2Pacはこれを機に飛躍的に活動の場を広げ、アルバムの売行きも倍増した。役柄があまりにもリアルでその後の2Pacのイメージが決定付くほどだった。

当時ハーレムに住んでいた私は、この映画のストーリがとても遠いところで起こっているようには思えないほど、身近に感じていたのを覚えている。本当に面白いので、まだ見ていない人はチェックをしてみて!

おすすめ度
☆☆☆☆

 

Mary J Blige / What’s the 411?

Monday, November 29th, 2010

July 1992 Released

現在30代の方々なら恐らく知っているだろうメアリーJの記念すべきデビューアルバム。2010年までに9作をリリースしている彼女のアルバムの中で私自身最も思い入れの強いアルバムである。それもそのはずで、当時ハーレムに住んでいた私が近所のアポロシアターで彼女がステージを行うということで、町の至る所に告知のポスターが貼られ、「What’s the 411」からのセカンド・シングル“Real Love”が超新鮮な最先端のヒップソウルとして町中に響いていた。

アルバムのファースト・シングルは“You Remind Me”だったのだが、ニューヨークではビデオクリップもそこそこに流れ、認知度があったもの、彼女自身がアメリカ中に知れ渡ったのは“Real Love”がシングル総合チャートのトップ10圏内にランク入りを果たした頃。地元ハーレムとは若干の時間差があったが、デビューしたての彼女のステージはお世辞にも良いとは言えなかったのを覚えている。そう考えると彼女の初期を成功へと導いた当時アップタウン・レーベルのボス、Andre Harrell (アンドレ・ハレル)と彼のもとで下積みをしていたSean Puffy Combs(Diddy現在の芸名は何だっけ?)の仕掛けを語らずして今のメアリーは存在しえない。

話は変わり、このCDを手に入れたのは、先日大好きな中古屋(ハードオフ)を巡っている途中に本作がジャンク扱いで105円で売られているところを救ってあげたのがきっかけ。ハードオフはほとんどモノが高過ぎで値段の付け方に疑問だらけだが、このアルバムの価値が非常に高い自分にとって、ジャンク扱いで105円の安さとはかなり頭に来た。今まではカセットテープとレコードで持っていたのだが、デジタル時代の最近はなかなか聞く機会に恵まれなかった。そして直ぐに車の最高級オーディオで聞いた。恐らくアルバム全部を通しで聞いたのは15年以上ぶりで、テープが伸びきってしまうほど聞き込んだアルバムだったこともあり、涙が出るほど感動を呼んだ。特に最初の留守電のメッセージ!なつかしい名前がこだまする中、DJ Red Alert(レッド・アラート)のパーティーに遊びに行った時のことを思い出したり・・・当時ニューヨークのヒップホップ・パーティーはかなり命がけで会場の周辺にヤバそうな奴らが沢山いたのを覚えてるな~ちょっと脱線してしまったが、80年代後半から90年代にかけて、こうした新鮮なサウンドが次々に生まれてきた中で、このアルバムがヒップホップ史に残した足跡は「貴重」の一言。

おすすめ度
☆☆☆☆☆

Lil Jon & The East Side Boyz / Crunk Juice

Wednesday, June 9th, 2010

Nov. 2004 Released

2004年にリリースしたリルジョン氏の6作目。East Side Boyz のメンバーはBig Sam (ビックサム)とLil Bo (リルボウ)の2人。シンプルなダーティー・キーワードをコール&レスポンスし、ストリートに向けて制作された本作はエナジー全快クランクのクラシック作。

ちょうど同じ時期にUsher の「Yeah!」←2004年のテーマ曲)、そしてCiara の「Goodies」が世界で爆発的にヒットし、いずれもビルボードのシングル・チャートで首位を独占したが、このトラックを制作した人物こそLil Jon 本人、恐らくこの2曲で一生食べていける金は稼いだと推測する。

話は変わるがLil Jon氏は元々レコード会社での下積みも長く、自身の振舞いや売り方を他のアーティストの何倍も心得ており、セルフコントロールの舵を巧みに握り、がっぽり稼いで業界で長生きできる術を把握できている非常に頭のキレるアーティストである。

現在ニューアルバムCrunk Rockがリリースされているが、こちらのアルバムの方が音楽的にはロック要素が濃く、イントロダクションのトラックから始まり、ヘヴィメタ・バンドSlayerの歪んだギター音をサンプリングしたStop Fuckin’ Wit Meに至るまで、ヘッドバンガーの喜ぶ音が随所に見られる。

個人的なお気に入りはIce Cube とコラボした”Real Nigga Roll Call. 次々と飛び出すIce調の4 Letter Words はオールドスクール・ラップのコア層には響くだろう。アルバムは全米アルバム・チャートで3位、R&Bアルバム・チャートで2位を記録。UsherとLudacrisをフィーチャーした収録曲の「Lovers & Friends」は全米シングル・チャートで3位まで登りつめた。

おすすめ度
☆☆☆☆

Big Daddy Kane / It’s a Big Daddy Thing

Thursday, May 13th, 2010

Sep. 1998 Released

ヒップホップが光り輝いていた80年代にニューヨークはクイーンズを拠点に活動していたJuice Crewのメンバーとして86年にキャリアをスタート。88年に”Long Live the Kane” でデビューを果たした。当時ドンピシャのタイミングでニューヨークでの生活を満喫していた自分にとっては忘れることのできない存在であり、ヘッドフォンを大音量にして彼の音楽から流れ出る疾走感を味わっていた本作「It’s a Big Daddy Thing」は当時まだ治安の悪くスリリングなニューヨーク・ライフを楽しませる起爆装置のようにデンジャなものだった。

まだラップ自体が今ほど世の中にポピュラーな音楽として浸透していなかったにも関わらず、本作は全米アルバム・チャートで33位を記録。弾丸のように撃ち込むラップ・スタイルとクールで男気な見た目に寄せられ、黒人の女の子は彼に夢中といった子が多かった。ある時14丁目にある地下鉄のニュース・スタンドでビックダディのヌードが掲載された週刊誌を一目見ようと、ヒップな女の子が大騒ぎしていたのを覚えている。

当時のニューヨークはクラブでハウスミュージックのパーティーでも短時間だけヒップホップをプレイするDJスタイルが主流で、その時にクラブで大騒ぎになる曲が本作に収録されている”Another Victory”、”Warm It Up, Kane” そして”Mortal Combat” だった。”Mortal Combat” は当時大流行していたJBの”Funky Drummer のドラムネタだが、彼のこの曲の右に出る作品は無かった。”Another Victory” はクラブ・クラシックでブッカーTの”Melting Pot” ネタ。盛上がらないわけがない。プロデューサーはクルーのMarley Marl を始めEasy Mo Bee、Prince Paul、そしてテディ・ライリーがアップテンポの曲 “I Get the Job Done” にて本領を発揮している。

東海岸が誇るオールドスクール・ラップの大きな足跡を残した一枚だ。

当時、鳥肌を立てて聞いていた
「Mortal Combat」はこちらから試聴可!

おすすめ度
☆☆☆☆☆
This is Classic !