Anthony Hamilton / Comin’ From Where I’m From

July 2003 Released

音楽の性格上、彼の得意とするソウル・サウンドというカテゴリーが時代とミスマッチしていることもあるのだろうか、ミュージシャンとして非常に苦労人であることは事実。1971年1月生まれ、現在40歳ノースキャロライナ出身のシンガーソングライター。

93年、当時勢いに乗っていたアップタウン・レーベルと契約するもリリースは破棄。レディ・ガガだって若いころにデフジャムとの契約が流れた話があるんだから、この世界では珍しくないのだろうけど、夢抱く叩き上げ系のミュージシャンにとっては死活問題。まわりまわってようやくリリースに至ったのが10年後2003年の本作となる。よくも諦めずに気力を持ち続けたことだと思うが、その後に授かった数々のアワードでのノミネートや受賞を考えると、アンソニーの人生は結果的に強運だったことを実証している。

作品の話に移るが、アルバムはジャーメイン・デュプリの“So So Def”レーベルからリリースとなったもの、ジャーメイン色は影もなく、アンソニー自身の音楽性を十分に発揮できるよう環境が配慮されているようだ。本アルバム最大のヒットとなった「Charlene」はシングル総合チャートで19位、R&Bチャートで3位と地味ではあるが、彼のような土臭いソウル・ミュージシャンが現代に出せる結果としては最高の形だ。私自身もこの曲を初めて聞いた時は同じ音楽を志す人間として同じような経験があっただけに胸に刺さる想いをした。歌の内容としてはこのようなことだ。

朝、目が覚めたら彼女からの手紙を見つけた。
ボクがいつも音楽の仕事で外に出ているから「もう疲れた」という内容だった。

という歌いだしで始まり、この女性を一人ぼっちにしてしまったことを後悔し、ひたすら待っている男の姿を描いている。極めつけは曲の最後に歌う「もし、これを聞いていたら、直ぐにでも連絡を欲しい・・・」とアドリブをかますパートは特に痛々しい。

他のお気に入りはLatoiya Willams(この女性リリース記録は無いもの素晴らしい才能の持ち主)とのデュエット曲「My First Love」もタイムレスな名曲として是非とも聞いていただきたい作品。

おすすめ度
☆☆☆☆

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