Archive for March, 2013

TheWeeknd / TRILOGY

Tuesday, March 5th, 2013

Nov. 2012 Released

ここのところ音源の仕入れはダウンロードばかりで、さっぱりCDを買う機会が無くなった訳だが、どうしてもCDで購入したかったのが本作The Weekndの「Trilogy」である。この作品は2011年3月に発表した「House of Balloons」、同年8月に発表した「Thursday」、同じく同年12月に発表した「Echoes of Silence」のアルバムに1曲ずつボーナス・トラックを加えた3枚組CDである。

正直言うと、この3作はいずれもMix Tapeとして正々堂々と無料ダウンロードが可能であり、私自身も既にダウンロードを済ませていたアルバムだった。それでは何故金を払ってまでCDを購入したか?と思う方もいらっしゃるだろう。答えはシンプル、アルバムがあまりにも素晴らしかったからである。

アルバムは紙仕様のブックレット付きで、どの表紙にも危険な女性の香りが漂う。これらのアートワークもウィークエンの音楽に触れる前戯であり、彼を知る上でちょっとしたカギとなる。

彼を知るキッカケとなったのは、同郷カナダ出身Drakeのアルバム「Take Care」に収録されていた“Crew Love”である。ヒット曲ではないが、コアなファンの間では「突き抜けている」と言われる曲である。そして、それを後押ししたのはドレイクのClub Paradiseツアーに同行したことと、その映像がYoutubeにアップされたことだろう。

決してオーバーグラウンドで売れるサウンドではないが、DJをやっていると若いアメリカ人のパーティーなどでは“Wicked Games”や“Remember You”などリクエストが多い。しかも彼のサウンドは全くパーティー向きではないのに…だ。

Drakeが彼とサインをするという噂もあったが、それはYoung Moneyとの契約を指すことから、Weekndが拒否したという話を聞いた。次世代R&Bというには深すぎて、理解するには難しい音楽であり、しかしそこが彼の最大の音楽的魅力である。決して容易に売れ路線には行って欲しくないし、彼も行かないだろうと思う。

個人的には1作目の「House of Balloons」があり得ない出来だと思う。歌詞のヤバさ、声のやわらかさ、突き刺さるようなサウンド感など、彼の描く世界に追い込まれて殺されそうだ。