Archive for November, 2010

Mary J Blige / What’s the 411?

Monday, November 29th, 2010

July 1992 Released

現在30代の方々なら恐らく知っているだろうメアリーJの記念すべきデビューアルバム。2010年までに9作をリリースしている彼女のアルバムの中で私自身最も思い入れの強いアルバムである。それもそのはずで、当時ハーレムに住んでいた私が近所のアポロシアターで彼女がステージを行うということで、町の至る所に告知のポスターが貼られ、「What’s the 411」からのセカンド・シングル“Real Love”が超新鮮な最先端のヒップソウルとして町中に響いていた。

アルバムのファースト・シングルは“You Remind Me”だったのだが、ニューヨークではビデオクリップもそこそこに流れ、認知度があったもの、彼女自身がアメリカ中に知れ渡ったのは“Real Love”がシングル総合チャートのトップ10圏内にランク入りを果たした頃。地元ハーレムとは若干の時間差があったが、デビューしたての彼女のステージはお世辞にも良いとは言えなかったのを覚えている。そう考えると彼女の初期を成功へと導いた当時アップタウン・レーベルのボス、Andre Harrell (アンドレ・ハレル)と彼のもとで下積みをしていたSean Puffy Combs(Diddy現在の芸名は何だっけ?)の仕掛けを語らずして今のメアリーは存在しえない。

話は変わり、このCDを手に入れたのは、先日大好きな中古屋(ハードオフ)を巡っている途中に本作がジャンク扱いで105円で売られているところを救ってあげたのがきっかけ。ハードオフはほとんどモノが高過ぎで値段の付け方に疑問だらけだが、このアルバムの価値が非常に高い自分にとって、ジャンク扱いで105円の安さとはかなり頭に来た。今まではカセットテープとレコードで持っていたのだが、デジタル時代の最近はなかなか聞く機会に恵まれなかった。そして直ぐに車の最高級オーディオで聞いた。恐らくアルバム全部を通しで聞いたのは15年以上ぶりで、テープが伸びきってしまうほど聞き込んだアルバムだったこともあり、涙が出るほど感動を呼んだ。特に最初の留守電のメッセージ!なつかしい名前がこだまする中、DJ Red Alert(レッド・アラート)のパーティーに遊びに行った時のことを思い出したり・・・当時ニューヨークのヒップホップ・パーティーはかなり命がけで会場の周辺にヤバそうな奴らが沢山いたのを覚えてるな~ちょっと脱線してしまったが、80年代後半から90年代にかけて、こうした新鮮なサウンドが次々に生まれてきた中で、このアルバムがヒップホップ史に残した足跡は「貴重」の一言。

おすすめ度
☆☆☆☆☆

Ashanti / Ashanti’s Christmas

Wednesday, November 17th, 2010

Nov. 2003 Released

前回に引き続き今回もこのシーズンならではのクリスマス・アルバムを紹介したいと思う。自分の家で家族と共にリラックスしたい・・・と言う時にはCece & Bebe Winans が1993年に発表した「First Christmas」やNat King Coleなどの古いアルバムが気に入っているというのは前回お伝えした通り。しかしちょっとしたホリデーパーティーや、もしくは団体の大きなディナータイムなどでもDJ を頼まれた際は、個人的に好んでプレイするアルバムがこちらのクリスマス・アルバムだ。

リリースは2003年、アシャンティがデビュー以降、好調に売上げを伸ばしディーヴァの座を確立していた時期である。決して今も衰えたとは思わないが、時代と共に変わる世代交代というヤツで、その象徴は時代背景によって変わり続けるものだ。しかし2003年の象徴が誰だったかと言えば、それはセカンド・アルバム「チャプターⅡ」をナンバーワンに送り込んだアシャンティ、そう彼女こそ女神の地位を築いた人物であり、ひとゆえに彼女の年だったと事が断言できる。

ちなみにアシャンティ自身はこのアルバムについて「家族向け」であることを強調しているようだが私の観点から言うと本作は実用的なクリスマス・アルバム。非常にさっぱりとした歌い方、そして元気であり、フレッシュである。だからと言って決して安っぽくは無く、心地の良さ、ムードの良さは、他のアルバムにも勝る特別な何かを感じる。実は多くのクリスマス・アルバムはこってりしていて新鮮味に欠ける。そう言った意味でも本作は今聞いてもとてもフレッシュな気分にしてくれる。だからこそ、パーティーにも打ってつけであり、私がちょくちょくプレイをする要因なのかな。。。と自分なりに分析している。

ソングリストは10曲で内容も至ってシンプル。ダニー・ハザウェイの“This Christmas”やスタンダードなところでは“Silent Night”,“Joy to the World”などなど。オリジナルも数曲収録されており、彼女自身もペンを握ったらしい。全体を通じて温かい気持ちになれる・・・これこそホリデーアルバムの醍醐味でしょうな。 

他にもデスチャやトニ・ブラクストン、ブライアン・マックナイトのクリスマス・アルバムも使い分けています。

おすすめ度
☆☆☆

Mariah Carey – Merry Christmas II You

Thursday, November 4th, 2010

Nov. 2010 Released

11月は一年間で一番ビック・アーティストの話題作がリリースされる時期であるが、続々と大物がリリースを控える中、11月1日に発売されたマライア・キャリーのクリスマス・アルバムを紹介したい。

今年は自らのオリジナル作品で勝負するのではなく、ホリデーシーズンの音楽に焦点を絞った彼女は、実は1994年にも同様にクリスマス・アルバムをリリースしている。当時の全米アルバムチャート最高3位を記録した「Merry Christmas」というクリスマス・アルバムからは、日本人にもお馴染の“All I Want For Christmas Is You”というトラックが毎年この時期になるとチャートインを果たすロングラン・ヒット作となっている。

そのような前作から16年振りのXmas作となるのだが、やはり音の作りが現代っぽいうえに、当時からはデジタル技術も格段に向上しているので、空気感の違いが楽しめるのは確かである。しかしその一方でクリスマスの演出を考えた時に、新しくてクリアな音が一番というわけではなく、時として50年代のフランク・シナトラやナット・キングコールのようなストリングスを多用した温かみのあるアナログ音が、更なるムード作りに一役買うこともあり、我が家でもそういったクラシックな音源がお気に入りであることも事実だ。

いずれにしてもクリスマスに限ってはスタンダード曲を外すことはできないので、このアルバムに関してもほとんどが古くからのカヴァー曲で構成されており、それらの曲を成熟したマライア・キャリーの素晴らしい歌唱力で聞けることは、至福の贅沢な時間を過ごせるということに変わりは無い。

アルバムには2010年版“All I Want For Christmas Is You”が収録。そして世界的にニューイヤーのアンセム曲である“Auld Lang Syne(蛍の光)”も収録。ダンストラック風に作り込まれているだけに、今年のDJの現場では個人的にもカウントダウン・パーティーで早速使わせてもらうことになりそうだ。

おすすめ度
☆☆☆