Archive for August, 2010

Kem / Intimacy: Album III

Tuesday, August 31st, 2010

Aug. 2010 Released

05年にリリースしたアルバム「AlbumⅡ」を最後に、音沙汰が全く途絶え、個人的に大好きなアーティストだけに非常に悲しい思いをしていた。が、驚くことに、この度沈黙の3作目をリリース。「Intimacy: Album III」と名付けられたアダルト・コンテンポラリーの真髄、Kemの魅力に迫ってみたい。

本アルバムは2010年9月4日付けのBillboard 200アルバム・チャートにて初登場2位という快挙。もちろん、彼が持っている記録を塗り替える最高位となったのだが、この背景にTV番組などでのプロモーションがあったのか、または何か大きなバックグラウンドがあるのかは定かではない。知っている方がいたら、是非教えて。。。

この2位という記録が何故すごいかと申しますと、同週に発売されているTrace Adkinsというアメリカでは絶大な人気を誇るカントリー・シンガーの新作「Cowboy’s Back in Town」を抑え、更には80年代より精力的に活動しているヘヴィーメタルバンドIron Maiden の「The Final Frontier」も抑え、ロックチャートでは1位、過去にグラミーノミネート経験もあるRay Lamontagne さえも抑えました。

今まではゲストを招いたりすることは無かった彼の作品だが、今回はJill Scottをスピーチ(ボーカルではない)に迎えている他、マービン・ゲイの71年発表「What’s Going on」のプロデュースを務めたDavid Van dePitt が参加。彼はデトロイトのオーケストラを率いた本作からのシングル「Why Would You Stay」のストリングス・アレンジを務めているが、この曲がなんとも素晴らしいバラード曲である。

ジャズ的な要素、ラテン系のリズム・セクション等、これまでの作品と良い意味で変わらない、そして心底癒しを与えてくれる情緒あふれる歌詞、一日の疲れを忘れさせてくれるような音楽・・・今の科学でさえ、これ以上に効く薬はありません。

おすすめ度
☆☆☆☆☆

Alicia Myers / I Fooled You This Time

Thursday, August 26th, 2010

1982 Released

ミシガン州デトロイト生まれ。9番目の兄弟として生まれ72年にLAへ引っ越した際に本格的に歌を始めたという。79年に当時参加していたデトロイトのグループ“ONEWAY”にて本人が手掛けた’You Can Do It’ がひそかなヒットとなり徐々にキャリアを積んでいく。

ソロに転向した80年代には「Alicia」 (MCA 1981)、「Again」 (MCA 1981)、「I Fooled You This Time」 (MCA 1982)、「I Appreciate」 (MCA 1984)、「Don’t Stop What You’re Doin’」 (MCA 1986) の5作を残している。

個人的な思い入れの強い曲は、本作からのクラブヒットとなり、現在もDANCE CLASSIC として引き継がれている「I WANT TO THANK YOU」だろう。私が10代の時に通っていたニューヨークにあった伝説のクラブ『THE CHOICE』などでLarry Levan(ラリーレイバン)等がよくプレイしていたのを覚えている。ゴスペル要素を含む基本的には女性心を歌った曲だが、男女共感できる歌詞、彼女の透き通るような声を活かしたシンプルな演奏、であって踊りやすく入り込みやすい。恐らく自分の知るダンスクラシックの中でもベスト5と言える名曲。ヒップホップや4つ打ちなどジャンルを抜きにDJ でこの曲を知らない人は失格ですよ。

おすすめ度
☆☆☆☆



「I WANT TO THANK YOU」の試聴はこちらから↑

John Legend / Get Lifted

Friday, August 20th, 2010

Dec. 2004 Released

2004年12月にリリースしたジョン・レジェンドのメジャーデビュー作。実際には2002年にニューヨークのS.O.B.で録音されたライブ・アルバムがデビュー作以前の2003年にインディーズ盤で出回っているが、彼の名を世の中に知らしめたという意味では本作『Get Lifted』が事実上のお披露目盤となる。

アルバムは全米アルバム・チャートで最高4位を記録。翌年のグラミーアワードでは「Best R&B Album」を獲得し、更には収録曲の ”Ordinary People” が「Best Male R&B Vocal Performance」ダブル受賞を獲得するという快挙を成し遂げた。

デビューまでの道のりには既に業界入りを果たしR&BシーンをかきまわしていたKanye West(カニエ・ウエスト)のサポートがあったことは忘れてはいけない。カニエと共にアリシアキースのメガヒット曲「You Don’t Know My Name」を手掛けたのは有名だが、その後もカニエのビックヒットとなったデビュー作『The College Dropout』に参加するなど、世界的な規模で知られるアーティストとして成功した。

その後は06年に『Once Again』、08年に『Evolver』とスタジオ・アルバムをリリースしているが、やはりデビュー作というのはリスナーは無論、アーティスト自身にとっても思い入れが深く、ジョン自身もこのアルバムに込めた意気込みは何にも代えがたいだろう。収録曲にはジョンの家族で収録したゴスペル曲「It Don’t Have to Change」など心温まる作品や、恋人に向けた数々のスイート・ソウルが満杯に詰まった作品。

2010年9月にはヒップホップ・バンドのThe Roots(ザ・ルーツ)と共に70年代をモチーフにした、とんでもないアルバム『Wake Up!』が発売されるので期待していただきたい。

新作『Wake Up』のアルバムレビューはソウルピーナッツのオフィシャルサイトで確認できます。

おすすめ度
☆☆☆☆