Archive for July, 2010

Dru Hill / Dru Hill

Friday, July 30th, 2010

Nov. 1996 Released

ボルティモア出身、シスコをリード・ボーカルにノキオ、ウッディ、ジャズの4名から成るR&Bグループの1996年デビュー作。当時はK-Ci & Jo Jo の成功を知っていただけにシスコのボーカル・スタイルはK-Ci の後追いという評価も多かったが、時間が経過するにつれ彼らグループとしての曲の引き立て方、テイストの旨味の違いに気付いたものだ。

アルバムは全米チャートで最高位23位を記録、収録曲からは「Tell Me」(米シングル総合チャート18位)、「In My Bed」(米シングル総合チャート4位)、「Never Make a Promise」(米シングル総合チャート7位)と新人が放ったアルバムとしては異例の好成績を収めた。

チャート入りを果たせなかった作品以外にも「All Alone」、「5 Steps」などグループの質の高さを伺える音楽論理にかなった楽曲がリスナーの耳には新鮮に映り、更には優れたヴォーカルアレンジを手掛けるシスコ、ノキオのプロデュース能力も評価は買われる。

2002年に3作目となる「Dru World Order」をリリースして以降、グループとしては活動を停止(実質解散状態)となったが、今年2010年にオリジナル・メンバーのWoodyと新メンバーのTaoが入れ替わる形となり、新たな体制で4作目の復帰作をリリースをしている。最新作についてはソウルピーナッツのサイトNew Release をチェック!

おすすめ度
☆☆☆

Musiq Soulchild / Aijuswanaseing

Thursday, July 22nd, 2010

Nov. 2000 Released

2000年に発売されたミュージック・ソウルチャイルドのデビューアルバム。US国内では180万枚を売上げ、プラチナム・ディスクを獲得。アルバムからのファースト・シングル「Just Friends (Sunny)」はビルボードのシングルチャートで最高31位、セカンド・シングル「Love」は24位を記録。フィラデルフィア発のソウルムーブメント火付け作として歴史に名を残す名盤となった。このアルバムをさかえにネオソウルという言葉を頻繁に耳にするようになったが、ネオソウルは当時ルーツのクエストラヴが主催していたオープンマイク・イベント“ブラックリリー”を通じて広がりを見せ、日ごとにその勢いも強まった。

同じ頃、同郷からJill Scottもデビューを果たしており、互いのアルバムやライブを通じて協力し合い、クオリティーの高い音楽を生み出すことで良い関係を垣間見ることができた。2人の制作に携わったジェームス・ポイザーやピノ・パラディーノ、ヴァイダル・デヴィスはこの時期以前にソウルクエリアンズという集団、またはその前にさかのぼるとア・タッチオブジャズ・プロダクションという制作集団のメンバーでもあり、作品単位で素晴らしい楽曲を残している。

ミュージックがデビューしたての時に西麻布のイエローにプロモ来日し、30分ほどの演奏を行った。全て生楽器でメンバーをフィリーから引き連れたのだが、フィリーのテーマ・ソングとも言える「ロッキーのテーマ曲」に始まり、既に愛聴していた「Love」や「Just Friends」をプレイ。CDではわからなかったパワフルな歌に驚き、更にメンバー全員が黒人だったこともあり、あまりに黒過ぎるサウンドに足が震えたのを覚えている。

演奏後に彼と話す機会があったのだが、実際に会って話をするとジャケットなどではわかりにくいが、彼の片目が失明していることに気付く。何を話したかは忘れたが、派手なパフォーマーというよりはミュージシャンとしての印象が強い。

現在も苦戦を強いられながらもリリースをしてはいるが、前作は2008年に発売した「Onmyradio」が最後となっている。是非とも新作の情報を心待ちにしたいところだ。

おすすめ度
☆☆☆☆

Bob Marley and the Wailers / Legend

Friday, July 16th, 2010

May. 1984 Released

今回紹介するのは王道中の王道。ロックはエルビス、ジャズはマイルス、ポップはマイケル、そしてレゲエと言えばこの方ボブ・マレーです。初めて彼の音楽に出合ったのは16歳頃でしょうか?もうかれこれ20年以上も聞き続けていますが、毎回新しい発見があります。

CD3枚、レコード2枚、カセットテープ1本と全く同じアルバムを6枚も持っていまして、自分のコレクションでは最大の重複買いを記録。ある時は数百円で売っているのを見つけ、「こらっ、なんでこんな良いアルバムを安く売るんだョ!」と店員に文句を言いに行ったこともあります。

知っている方には説明の必要がありませんが、知らない方のために説明しますと、本作は彼が36歳の若さでこの世を去るまでにリリースされた数々の名作を集めたベスト盤でして、74年にビルボードで1位を記録した収録曲「I Shot the Sheriff」を始め音楽的、政治的、宗教的な壁をぶち壊した音楽史歴代の大作と言えるでしょう。全14曲、どの曲をとっても意味の深いメッセージが刻み込まれた、いわば聖書のように扱う人々も多いことと思います。

間違っても夏だからレゲエ・・・という価値でこのアルバムを聴いてほしくはありません。音楽を通じて世の中を変えた貴重な作品であり、100年後も語り継がれるタイムレスな音楽であることに間違いはありません。我が家庭では子供にも小さい時から聞かせているので、CDをプレイすると自然に口ずさみますしね。

そんな訳でチャンスのある方はこのアルバムを手にとって、ついでに1曲ずつ歌詞を調べてみるのも良いでしょう。

例えば自分のお気に入り「One Love」は和訳すると重みが伝わりにくいのですが、

One Love, One Heart ひとつの愛にひとつの心
Let’s get together and feel all right みんな一緒に幸せを感じよう

おすすめ度
☆☆☆☆☆

Profyle / Nothin’ But Drama

Wednesday, July 7th, 2010

Oct. 2000 Released

99年にアルバム「Whispers in the Dark」でモータウンよりデビューを果たした実力派4人組。本作は2000年にリリースされたセカンド・アルバムでビルボードのアルバム・チャート50位を記録。当時モータウンの社長を務めていたKedar Massenburgが見定め大切に育てたが、思うようなヒットにはつながらなかったというのが実際のところ。

共に育った2人の兄弟と、その従兄弟が集まり結成されたグループは、教会の聖歌隊で鍛えた喉を武器に、当時マービン・ゲイの追悼アルバム「Marvin is 60」で名曲“What’s Going On”を熱唱したのが初のお披露目。歌いこむスローやミドルテンポのR&Bは、アルバムを手掛けた大物プロデューサーが貢献。ジョーやソウルショック&カリーンなど楽曲作りのセンスはプロファイルの良さを十二分に引き出すことに成功した。

勝負作となった本作「Nothin’ But Drama」はデビューから約1年足らずでリリース。テディーライリーが手掛けたファースト・シングル「Liar」が全米シングル・チャートで14位、R&B/Hip Hopチャートでは1位を獲得。残念ながらその後が続かず、グループ自体もしばらくは音沙汰無しの状態。

2004年に自主制作アルバムを発売し、当時そのアルバムの執筆を頼まれたのだが、その音源を聞いた後でさえ、同じ人物とは思えないほど痩せた音になっていたことに困惑。「Nothin’ But Drama」では当時最も旬のR&Bサウンドとされたスティーブ・ハフが手掛けた楽曲「(Can We) M.A.K.E. L.U.V.」、ベテラン・ライターのロイ・ハミルトン、オールスターやジョーなどが制作したスムースなR&Bナンバーの印象が素晴らしかっただけに、自主制作とプロのブレインによる世間への売込みを比較し、改めて影の力を実感させられた。

ミュージック・ビジネス界ではアーティストを芸術ではなく商品としていることが、現実に起こっている日常である。よってアーティストが商品にならないためには、自らの音楽性は自らが創造し、自らで支配し、それを極めることである。しかし、それを売る行為(ビジネス化すること)は非常に困難である。今に至っての音楽業界は先ずは損益から作品が生まれる現状がただ悲しい。

おすすめ度
☆☆☆