Archive for December, 2009

Stevie Wonder / Hotter Than July

Tuesday, December 15th, 2009

Sep. 1980 Released

スティービーワンダーが1980年に発表した20作目(くらい?)の作品。アルバムからは4曲のチャートインを果たしているが、名曲「Lately」をはじめ「Master Blaster (Jammin’)」、「I Ain’t Gonna Stand for It」、「Did I Hear You Say You Love Me」がシングル部門で名声を上げると共に、アルバム自体もR&Bチャートで13週間1位を記録するなど、彼の作品を代表する「Songs in the Key of Life」に並ぶ名作と言われている。

ヒット曲以上に意味を持つということで、今回ご紹介させていただきたいのは、このアルバムの収録曲である「Happy Birthday」は一見誕生日の曲のようで、実際にも一般の黒人家庭では誕生日の定番ソングとなっているが、スティービーが当時、非暴力主義で人種差別に取り組んだMartin Luther King に捧げた曲としても有名だ。キング牧師の誕生日にあたる1月15日をアメリカの休日にしようと(現在は実際にそうなっている)各地にてキャンペーンを行い歌った名曲である。ルーサーキング牧師の有名なスピーチ「I Have A Dream」が語られ、スティービーのように音楽を通じて立ち上がった人間がいたからこそ、現在のオバマ政権が成り立っていることを歴史の観点から物語っている現実から目をそらすことはできない。そういった意味でもこのアルバムは私自身の中でも思いいれが深い。

私がこのアルバムを知ったのは80年の当時ではなく、88年になるが、当時ニューヨークのナイトクラブに入り浸りだった頃に収録曲の「All I DO」を必ずプレイするDJが存在し、彼のことが大好きだった。(ちなみにDJ BasilというハウスDJ。)

当時は「We are the world」やボブ・マリーのようにミュージシャンが政治を動かした時代の背景があるが、このアルバムが果たした貢献度も今一度見つめなおしたいと思い、お勧めさせていただくと共に、単に音楽的にも素晴らしい作品である。

私は親しい知り合いの誕生日には、自分のお気に入りのCDをプレゼントをするのが最良の善意と考えているが、このアルバムも既に数名の友人の手に渡っている。

おすすめ度
☆☆☆☆

Freddie Jackson / Privat Party

Wednesday, December 2nd, 2009

Feb. 1995 Released

Luther Vandross(ルーサー・ヴァンドロス)などと同類に、80年代を代表するブラック・コンテンポラリーの立役者となったフレディー・ジャクソン。2009年12月現在でライブやクリスマス・アルバムを含めると13作をリリースしているが、今回紹介するのは95年に発売された8作目のスタジオアルバム。1956年ハーレム育ちで現在は53歳、このレコーディング当時は39歳だったことになるが、男の人生で一番脂がのり(肉体的にではなく・・・)音楽のキャリアもベテランの域に達した時期といえる。

銀行で働きながら音楽活動をしていた青年期。後にMystic Merlinというソウルバンドに加入し、アルバム「Full Moon」にて数曲を披露している。ソロデビューは85年でアルバム「Rock Me Tonight」はビルボードのR&B Album Chartで見事1位を獲得、アルバム総合チャートでも11位という輝かしいデビューを飾った。代表曲には「You are my Lady」、「Rock me tonight」、「Tasty Love」など80年代中期以降に飛ばしたヒットは数多い。90年代はコンスタントにアルバムをリリースし、定着したコアなファンを裏切らないクオリティを保つが、イマイチ大きなヒットに恵まれないのも現状で、現在はマイナーレーベルながらも活動を続けている。そして今回紹介する作品も大きなヒットにはならなかったが、地味に素敵なアルバムでコアなフレディーファンには申し分のない作品だ。

「Private Party」は彼の最後のメジャー作だったが、リリース週にアルバム総合チャートで188位をという不発な記録で終わる。時代はニュージャック終盤、ベイビーフェイスやテディライリー全盛期でR&B業界では、ボーカルグループが世の中を騒がせていた。そんな逆境にも屈せず、フレディー節を貫いた本作にはBarry Eastmond(バリーイストモンド)を中心に制作、Gordon Chambers(ゴードン・チャンバーズ)が制作したタイトル曲「Private Party」や今は亡きGerald Levert(ジェラルド・レバート)が残した「Rub up against you」等、フレディの熱い歌が際立つ密かな名作が収録。今現在、手にとって聴いても時代を超越して感動をする傑作だと感じる。

おすすめ度
☆☆☆