Archive for November, 2009

Mint Condition / The Collection (1991-1998)

Tuesday, November 17th, 2009

Jun. 1998 Released

80年代の前半にミネアポリスを拠点に活動を始めた最初で最後のR&Bバンド。メンバーは09年の11月現在でStokley Williams(vo.)、Ricky Kinchen(bass)、Homer O’Dell(gt.)、Larry Waddell(piano)、Jeffrey Allen(sax)の5名。Jimmy Jam and Terry Lewis(通称ジャム&ルイス)に発掘され、91年に「Meant to be Mint」でデビュー。これまでに7作を発表しているが、05年からはメジャーを離れ、インディーズながらも根強いファンに支えられ活動をしている。

ご紹介する作品はタイトルが示すように91年から98年までのヒット作を集めたベスト盤である。今までの最高のヒット曲はデビュー作に収録され92年に34週にわたりチャート入りを果たした「Breakin’ My Heart」(Pretty Brown Eyes)がビルボード・シングル最高6位にランクイン。Amerie(エイメリー)の「In love & War」からセカンド・シングル用にカットされた「Pretty Brown」featuring Trey Songz元ネタの曲でもある。

ジャム&ルイスの元を離れてからは大きなヒット曲は出ていないもの、ファンのみぞ知る素晴らしい曲を書き続けていることも事実、まずは今回紹介しているベスト盤を聴いていただき、彼らの奥深さを知っていただきたい。

彼らの来日コンサートに行ったことがあるが、ボーカルのストークリーが繰り広げるステージは非常に音楽的で、バンドであるがゆえの作品力、演出力は群を抜く素晴らしさを感じた。06年には彼らのステージを収録した「Live from the 9:30」というタイトルのCDが発売され、バンドの価値はライブで決まることを証明してくれた音源だと確信させられる。なお、この作品は同時にDVDもリリースされているので、そちらの方がより一層魅力のあるものなのは言うまでも無い。

何故、彼らのようなR&Bライブバンドがこれ以上出てこないのかは不明だが、本来の音楽の楽しさを味わいたい方には是非ともお奨めしたい一枚である。

おすすめ度
☆☆☆☆

Faith Evans / Faith

Tuesday, November 10th, 2009

Oct. 1995 Released

バッドボーイ絶頂期の95年にメアリーJブライジと比較され、競うように出現したアーティスト。年数が経過するにつれ個々の存在を認められたが、当時一人勝ちだったメアリーにとって、レーベルメイトにして最強のライバルだったのは間違いない。東西ラップ戦争で被害を受け、あの世へ先立ったノートリアスBIGの最愛の妻としても業界では知られている。

個人的にこのアルバムは生涯で3本の指に入るベスト作。2009年11月7日と8日にTokyo Midtown(東京ミッドタウン)のBillboard Live(ビルボードライブ)に初来日したことを記念し、ライブレポートも含めたレビューを書かせていただく。

ライブは1時間ほどだったろうか、引き連れてきたバンドメンバーはDJのハリケーンを始めギター、ドラム、ベース兼シンセサイザー、鍵盤の5人組み。全員30代前半くらいまでの若い黒人たち。残念なことにファイス・エヴァンスの音楽で最大の聞きどころであるバックボーカルがカラオケだったのが悔しい。彼女の場合バックボーカルは3人は必要なので、今回のツアーには予算的に無理だったのだろうが、この点の悔しさを除けばパフォーマンスは素晴らしいモノだった。

2005年の「The First Lady」からリリースが無いので、それまでの4作から曲を披露してくれたが、ライブ始まりの2曲目でヒット曲「Love Like This」(セカンドアルバムのKeep the faithに収録)を歌出だし、会場が沸いた。商業的な意味でこういったアップテンポはヒットを狙えるが、彼女の持ち味はやはり聞かせるミディアム・スローの歌モノ。今回紹介するアルバム「Faith」にも収録されている「Soon as i get home」を歌う曲紹介では『この曲には特別な想い入れがあるの・・・』と言っていたが、素晴らしい歌詞と情熱的な歌はCDでも充分素晴らしいのだが、ライブで見れたことで、曲中は本当に心が踊った。

そして、全てのこの世の音楽において、私の人生で最も痛烈にカンジル曲(本当は明かしたくなかったのだが・・・)が「Come Over」。受身の女性的な曲で男の自分が何故ここまで好きなのかは分からないが、この楽曲はトンデモナイ!この曲を歌う彼女に惚れ込んだのは勿論、制作者のChucky Thompson(チャキートンプソン)も、歴代R&B Producerの一人として、これからも愛し続けるだろう。彼女のボーカルアレンジはストーリー性に満ち、場面ごとにイメージ画像が頭をグルグルまわり(英詩がわかればですが・・・)絶頂へ連れて行ってくれます。ライブでこの曲が見れた時は『これでオレも安心して死ねるな・・・』などと考えてしまいました。

彼女がライブ中に話していた『こんなに離れた日本という国で、これほどのファンがいて、この場で触れ合えるなんて、この気持ちが伝わるかどうか分からないけど・・・・言葉にできないほど嬉しいわ』と言っていたのが忘れられませんな。今回のライブを見て、一つハッキリ分かったことがあるのですが(今までも分かってはいたが・・)彼女はゴスペルシンガーだということ。パーティーソングやメイクラブソングを除いて、彼女が歌を向けている方向はGODですよ。多分、理解していただけないかもしれませんが、そういうことです。ただの歌えるシンガーではありませんでした。

おすすめ度
☆☆☆☆☆!

Zhane / Pronounced Jah-Nay

Saturday, November 7th, 2009

90年代を代表するR&Bグループ・デュオ。Jean Norris(ジーン・ノリス)、Renee Neufville(リネー・ネーフヴィル)の二人はフィラデルフィアのテンプル大学時代のルームメイトで、フレッシュ・プリンス(現ウィル・スミス)&
DJジャジー・ジェフのヒット曲「リング・マイ・ベル」のバック・コーラスをプロでの初仕事に、一気に世の中に知れ渡った。正式な契約は当時クイーン・ラティファが主催していたフレイヴァー・ユニットからで、ニュージャージ州を代表するNaughty by Nature(ノーティーバイネイチャー)のKay Gee(ケイジー)が全面的にバックアップ、アルバムからの先行シングル「Hey Mr DJ」は全米シングル・チャートで6位まで登りつめたヒット作となる。

彼女たちほど音楽的に才能のあるアーティストが、ヒップホップ・アーティストにプロデュースをされるというのもおかしいが、実は2人とも音楽一家に育ったエリートミュージシャンであり、ジャズやクラシックを長年に渡って勉強してきた経緯を持つ。

恐らくこのアルバムは90年代に名を残すアルバムとなったが、運の悪いことにその後に続くリリースでは、レーベルの諸問題を抱え苦難の道のりを乗り越え、3年後のリリース「Saturday Night」にこじつけている。発売元であり、クイーン・ラティーファの所属先モータウン、フレイヴァーユニット、このアルバムにクレジットされたケイジーのイルタウンが複雑にからみ、彼女達の才能を開花させる妨げになったことは事実である。

事情はどうであれ、このアルバムの素晴らしさは歴史に残る価値を持ち、ミュージシャン・シップに優れたアーティスト「ジャネイ」とストリート出身のヒップホップ・アーティスト「ケイジー」のコラボレーション作として大成功を治めた大作である。

個人的に2度ほど来日ライブに行ったが、彼女達のパフォーマンスは「音楽で人を楽しませる」ことに最高に長けており、私の体験ライブの中でも5本の指に入るほど思い出に残っている。

最近ではプロのミュージシャンとして活動しているようで、ジーンに関しては数年前にブルーノートに来日したトランペッターのロイハーグローブ(ジャズ)のキーボーディスト&バックボーカルで見かけることができた。

彼女達がレコード会社からの何のしがらみも無く、自由に制作した作品を一度でいいから聞いてみたかったというのが、私の本望であったのだが、その夢は叶うことがなかった。

おすすめ度
☆☆☆☆