Archive for September, 2009

Myron / Free

Wednesday, September 23rd, 2009

Jun. 2004 Released

クリーブランド州出身のコンポーザー兼アーティスト。教会で牧師を務める父親を持ち、幼い頃はその父親の元でオルガンやドラムなどを習得。バークリー大学でエンジニア科を専攻しジャズやゴスペルを学んだ彼は卒業後にカヴァーバンド等を転々とし、生計を立てていたようだ。Dru Hill のアルバム参加を経て、同レーベル(アイランド)から98年に「Destiny」でデビューするも、アルバムのプロモーションはアイランドのレーベルの閉鎖と共に打ち切られ、ほとんどお蔵入り状態に・・・世の中には才能があっても運の悪いアーティストが数多く要れど、彼ほど洗練された音楽的なセンスを持つアーティストがチャンスを失っていくのは心苦しいばかりだ。

本作はその後自主レーベル「Mojamusic」を立ち上げ、自ら制作に打ち込み完成させたアルバム。メジャーでの経験は残念ではあったが、その経験があったからこそ、ここでの素晴らしい仕事振りにつながったことを考えると、そう悲観的に考えることもないのだろうか?アルバムはトータル・バランスに優れ、70年代ソウルに影響を浴びた完成度の高い作品となった。大学時代に知り合ったJosh Honigstock との共作で、彼自身は制作を始めギターやシンセサイザーなど一連の楽器のアレンジにまで深く関わり、隅々にまでこだわりぬいた自己表現作となっている。

ここまでのクリエイティブ・コントロールが全て叶ったからこそ、完成した本作には愛情がたっぷり込めてあり、歌の節々にも情熱に満ちたキーワードが散りばめられている。

No other love more precious  こんなに大切な愛はない
No other love more ture こんなに真実味を帯びた愛はマジない
No better way to tell you これ以上の伝え方はないハズ
How Much i do love you  メッチャ愛しているかってことを
収録曲 「No Other Love」より

 

おすすめ度
☆☆☆☆☆

R. Kelly / 12 Play

Monday, September 14th, 2009

Nov. 1993 Released

92年にデビューしたR. Kelly(アール・ケリー)はデビューアルバムをPublic Announcement(パブリック・アナウンスメント)というグループのメインとして「Born Into The ’90s」というデビュー作をリリースし、業界のスタート地点に立った。そこからは皆さんが知るような世界的スーパースターへの階段を登っていったのだが、多分私はR.Kelly のデビュー時代のライブを生で見ることのできた数少ない日本人だろう。当時、ハーレムで一人暮らしをしていた私が、彼の存在を知ったのは、なんと隣の住人が爆音で鳴らすバラード。床はミシミシ、壁が崩れ落ちるほどの爆音で、自分もかなりうるさかったハズなので、気にはしていなかったが(実際、ヤツとは音量で張り合っていた)その隣人がいつも聞いていたのがR kellyのデビューアルバムから2nd シングルとなった「Honey Love」だった。

今回紹介するアルバム「12play」は2作目となり、彼が初めて自分ひとりでプロデュースをした作品。夜も昼も寝ずに制作に没頭したことだろう。あまり知られていないが、同じ時期に母親の他界などが重なり、そのことを歌った収録曲「Sadie」(オリジナル曲はスピナーズ)は母親への愛情を露に表現した、痛々しいボーカルを聞くことができる。このアルバムを皮切りに「愛の伝道師」と呼ばれ、セクシャルな表現で露骨に歌う第一人者、つまり収録曲にある「SEX ME」のような歌が時代をもてはやしたことも記憶に深いところだ。

アルバムのハイライトは世界的なヒットとなった「Bump n’ Grind」。ビルボードのシングルチャート1位、世界のチャートを総なめにしたのだが、印象的なのはその歌詞で、ちょっと自分の子供には聞かせたくないと思うほどの内容。個人的にそれが彼の魅力とは思わないのだが、このヒットを機にどんどんセクシャル路線に乗ってしまったことは、少々残念である。

ただ現在までのアルバム単体で考えたときに(2009年9月時点で11枚をリリース)、この作品にたいする彼の想い、まだ貧乏でハングリーだったアーティスト魂をヒシヒシと感じることは紛れもない事実。彼にとっても一番思い入れの深いアルバムであることは間違いないだろう。

昨年(2008年)は事実上、インターネット上の流出でお蔵入りとなってしまったが、この作品の続編「12play:4th Quarter」が発売されるはずだった。期待をしていただけに残念ではあったが、それに匹敵するアルバムを届けてくれることを信じて、今は応援していたいと思う。

おすすめ度
☆☆☆☆

Michael Jackson / Number Ones [DVD]

Monday, September 7th, 2009

Nov. 2003 Released

私が中学校の頃だろうか・・・(マズイ、歳がバレる)世界でスリラーが爆発的なヒットを記録し、例のゾンビ・ダンスPVが当時最高のハイテクを駆使して作られたのを見て、身震いがたったのを今でも覚えている。あれから何十年とマイケルを愛し続け、彼の噂が決して良くなかった時代も、いつも応援し続けた。90年代にリリースした「Dangerous」はもちろん、「History」や「Blood on the Dance Floor: History in the Mix」も迷わずに買った。2001年に「Invincible」が出た時はどれだけ嬉しかったことか・・・

彼が決して止めることのなかった「音楽への創造性」には終わりがなく、永遠に続くかのようだった。音楽界へ与えた「チャレンジ精神」は、その後に続くアーティストへ、どれだけ偉大な遺産となったことだろう。音楽界以外でも、私たちが歴史を語るときに時代の定規を計るように、彼の生きた証が語られるだろう。そして、それまでの記録は全てこのDVDでいつでも、好きなときに見ることができる。余談だが、私がこのDVDを買った時のことをお話すると、丁度子供が小学校高学年になり、自分が聞いて以来忘れられない存在となったマイケル・ジャクソンを紹介しようと娘の誕生日に贈ったのが、この「Number Ones」のDVDだった。

全15曲、彼の全ての魅力を伝えるには足りないが、それでも「Off the Wall」のヒット曲「Rock With You」に始まり、「Invincible」での最大のヒット「You Rock My World」まで収録されているので、次の世代に伝えるには充分な資料だ。彼が他界してからは、このDVDが無くてもTVなどでオンエアされる機会がグッと増えた。なんだか、ちょっと悲しい気はする。ヒットしていたビデオクリップを見るたびに、その時刻みに当時の自分を思い出す。そして、こう思う。私の今までの人生はマイケルと共に生きてきたのだと。

おすすめ度
☆☆☆☆☆

K-ci & JoJo / Love Always

Thursday, September 3rd, 2009

Jun. 1997 Released

1991年に衝撃的なデビューを飾ったJodeci (ジョデシィ)の4人メンバー中、2人の兄弟が放った初のデュエット作が、今回紹介する「Love Always」。Jodeci のデビューは私自身ニューヨークに在住だったこともあり、ゲットーの若いコ達の熱狂ぶりは今だに鮮明に覚えているが、それは今度Jodeci のアルバムを紹介する時にゆっくりするとして、セクシャルな愛を歌うJodeci に対してK-ci & JoJoが放ったアピールは、ズバリ大人の愛。Jodeci に熱狂した若いファンが数年を経過するごとに、共に大人になっていたことを考えると、この戦略はドンピシャ当たるのもうなずける。(もちろん、自分もこの戦略に踊らされた。)グループ時代はストリート系のファッションだったのに対し、スーツを身にまといイメージも大幅に変え、全体的にレイドバックしたアルバムは彼らの予想をはるかに超えただろう、世界的ヒットを記録。Billboard のアルバムチャートで最高6位、R&Bチャートでは2位。そしてグループ時代を含め最大のヒット曲「All My Life」はついにングル・チャートの1位を獲得、世界中で大ブレイク。(ちなみにJodeci 時代の最高記録はスティーヴィー・ワンダーのカヴァー曲「Lately」で4位。)オーケストラをバックに豪快に歌うこのバラードは日本の結婚式にも大いに利用された究極のラブソング、今後も引き継がれる歴史に残る名曲だ。

日本にはファンも多く、彼ら自身も日本贔屓で何度も来日しているが、必ずこの「All My Life」でステージの最後を飾り、お決まりのように兄弟でハグをするシーンはファンなら知っているハズ。更に日本盤限定のコンピレーション・アルバムもリリースされているので、興味のある方は是非。

おすすめ度
☆☆☆☆