Archive for July, 2009

Eric Roberson / The Vault-Vol.1.5

Tuesday, July 28th, 2009

Dec. 2003 Released

アメリカ国内に溢れる無数のインディーズレベルから運良く日本のレーベルを通じてソコソコのヒットを飛ばしている(と言っても、ごくマニアの中だけだが・・・)こちらのアーティストは、ニュージャージをホームタウンに活躍するソウル・シンガー兼ソングライター。ミュージック・ソウル・チャイルドを筆頭に広まった現代フィラデルフィア・ソウル(フィリーソウル)。そしてソウルチャイルドのデビューアルバムで楽曲の提供をした経験に始まり、影ながら素晴らしい仕事をこなす一面も評価されている。このアルバムはデビュー作のリメイク版(The Vault-Vol.1がオリジナル)になるが、現在は4枚だろうかエリック自身の名義でアルバムがリリースされている。

彼のサウンドの素晴らしいところは、楽曲を自身で手掛けるだけあって、独創性で生々しい世界観の描写、何も恐れることなく音のクリエイトに身を捧げるアーティスティックでひたむきな姿勢だ。その一例ではあるが、このアルバムでも共に制作を手掛けるハウス界のオシュンラデとのコラボレート。まだ完成形ではないが、実に実験的なフィーチャーソウルの岩石と言える。

最近は大きな仕事ばかりになってしまい、ある意味面白さを失ってしまったが、フィリーソウルの創設に携わったプロデューサーチーム、元A Touch of Jazzのアンドレ・ハリスとヴィダル・デイヴィスが、最も先進的なサウンドを生み出していたのも、このアルバムがリリースされた2000年初期。本アルバムの2曲目ではアイザック・ヘイズの「Close To You」をサンプリングした曲が印象深い。(最近ではダークチャイルドがJ.Holidayのデビュー作でも使っていたっけ・・・)

最近はインターネットを使った流通が進化したおかげで、このようなインディーズ系のアーティストにもチャンスが巡っているが、情報が大量に散乱する中で本当に自分に合った素敵な音楽を選ぶことが、大変な作業になっていると思うこの頃だ。

おすすめ度
☆☆☆☆

Syleena Johnson/Chapter1:Love,Pain&Forgiveness

Tuesday, July 7th, 2009

Apr/ 2001 Release

2009年7月現在までメジャー通産4枚をリリース。チャプター1から4までシリーズ化された彼女の人生のテーマについて綴られたアルバムだ。アルバムはすべて所有しているが、その中でも筆者の特別お気に入りがこのファーストアルバム。実父シル・ジョンソンが彼女の歌に与えた影響は計り知れず、以前にインタビューした時に「お父さんのギターがいつも家で流れていて、小さい頃はいつもギターのフレーズを口ずさんでいた」と語っていたのが印象的だった。確かに彼女の歌を聞いているとブルースギター特有のチョーキングやギタースケールのようなアドリブの多さに気付くはず。

そんな父親を持ってか非常に恵まれた音楽環境で子供の頃はアレサフランクリンやティナターナーなどを聞いて育ったらしく、最近のR&B系シンガーにしては珍しく、60年代の香りをプンプン漂わすところは彼女の不思議な魅力のひとつ。シカゴを拠点に構えることが遭遇してか、この記念すべきファーストアルバムのハイライト曲には同じシカゴからRケリーのプロデュースが一際光り輝く存在となっている。当時のRケリーと言えばプロデュースに引っ張りだこの時代で、もっともハングリーだった。信じられないほどのプロデュース量をこなし、ヒット曲を連発させていた黄金期である。結果的にRケリーが制作した収録曲「I Am Your Woman」はヒットさえしなかったものの、それはOKなのだ。素晴らしい筆跡としてこうしてアルバムに収録されているのだから・・・

他にもボブパワーが収録曲の8割に関わっているのも注目すべき点。彼がここまで熱を上げたアーティストは、この辺りの時代では彼女だけだ。アルバムチャートでは101位という結果だったが、一般的に評価はさておき、個人的には2001年の最高作として取り上げたい1枚。

当時、初来日のプロモーションでは西麻布のイエローで数曲を披露した。熱唱する姿は数日間、頭から離れないほど印象的だった。

おすすめ度  
☆☆☆☆