Archive for June, 2009

Anita Baker / Giving You the Best That I Got

Tuesday, June 16th, 2009

Oct./1988 Release

1958年1月オハイオ州生まれ。80年代から90年代にかけて素晴らしい歌を聞かせてくれたシンガーの一人。 とは言っても、まだバリバリ現役で彼女に強く影響されている新生シンガーを続々と輩出している事実も承知のとおり、素晴らしい個性と歌いまわしは無二の輝きを放つ。彼女がリリースするアルバムはどれも素晴らしいのだが、今回は当時筆者がニューヨーク在籍時代に強い印象を受けた作品を紹介する。今は無きニューヨークのワールド・トレード・センター広場で彼女がお披露目した短いShow Time。そこに群がった黒人お母さん達の熱狂振りは今でも忘れられない。

このアルバムをリリースした88年、タイトル曲「Giving You the Best That I Got」はBest Female R&B Vocal PerformanceとBest R&B Songがグラミーの2部門を受賞。品格のある大人の女性像を描くと共に、女性ならではの切ない部分もリスナーの心をおもいきりくすぐった。

タイトル曲は勿論、永遠の不滅作となったが、このアルバムのもう1曲の名作が「Jast Because」だろう。一人の男性に向けた一途さを歌い上げた情熱的なこのラブソングは、男性にも受け入れられる曲で、理想の女性にこのような言葉をかけられたら、どれほど幸せか・・・と彼女の世界にグイグイと引き込まれるだろう。音楽って素敵だね!!

おすすめ度  
☆☆☆☆☆

Fantasia / Free Yourself

Thursday, June 11th, 2009

Nov. 2004 Released

2004年のAmerican Idol’s(アメリカン・アイドル)を勝ち抜き見事優勝を果たした実力派。ファイナリストには、後に映画「Dream Girls」でオスカー女優に輝いたJennifer Hudson(ジェニファーハドソン)との激しい競い合いが注目を集めた。

彼女の場合、ずば抜けた個性と歌唱力が評価されたことと、彼女の持つバックグラウンドがアメリカン・アイドル視聴者の心を惹きつけたと言っていい。治安の悪い環境で育つ中、暴力やレイプに苦しみ17歳で未婚のまま子供を出産。歌が全て、歌の中でしか生きるすべを見出せなかった日々・・・優勝決定後にステージで歌った「I Believe」ではアメリカ中で感動の渦が巻き起こった。

まさに今やアメリカが直面している大きな問題・・・若くしてシングルマザーになった同志に捧げたアルバム収録曲「Baby Mama」は、同じような環境で苦しむ女性達に多くの勇気を与えた。現代にもアメリカン・ドリームは存在することを忘れちゃいけない・・と象徴した出来事だったにちがいない。

アルバムには予選でも歌った米国の子守唄「Summertime」も収録。Missy Elliott等がフィーチャーされ、アルバム・チャート最高8位、シングル・チャート1位の記録を放つなどヒット作を飛ばし、商業的に大成功を収めた。

おすすめは2曲目の「Free Yourself」。ここまで感情を歌にぶつけられるのは、彼女以外には成しえない。

おすすめ度
☆☆☆

Carol Riddick / Moments Like This

Wednesday, June 10th, 2009

Aug. 2006 Released

個人的にここ15年くらいで確立されたフィリー(フィラデルフィア)発祥のソウル・ミュージックには強い関心を持っているが、地味ながらも素晴らしい完成度の作品が彼女のファーストアルバムだ。

彼女の経歴を見ると、古くはWill Smith and Jazzy Jeffのツアーメンバーとしてキャリアをスタートさせ、後にはAnthony Hamilton, Jill Scott, Norman Brownといった実力派アーティストのレコーディングにバックボーカルで参加。ソングライティングにも力を入れ、Musiqなどに曲を提供するなど奇才ぶりをアピール。その才能は高く評価され、地元の有力プロデューサーJames Poyserを中心に立ち上げたAxis Music Group より2006年にデビュー。日本での反応は今ひとつだったが、個人的には最高の作品だと自信をもってお奨めできる!

アルバムの収録曲で最も心を打たれるのがTrack⑦の「All I Wanna Be」というミッドスロー。彼女の曲はどれも私生活から書き下ろしたものが多いが、この作品は愛する娘に捧げた一曲。世界の境界線を越えて、同じ娘を持つ親であれば共感すること間違いない。ラリーゴールドのストリングスをバックにやさしく歌うキャロル・・・終盤の感動的なアレンジ、信じがたいほどの繊細な表現力でアドリブをかます。CDのリピート機能を使って何度リプレイしても同じ感動を味わう。

素敵な音楽があることに感謝。だから毎日がんばれるのです!

おすすめ度
☆☆☆☆

Heather Headley / Audience of One

Tuesday, June 2nd, 2009

Jan. 2009 Released

牧師の娘としてキューバ生まれた彼女は幼少期より音楽に興味を持っていたようで、4歳の頃にはすでにピアノでコンサートを行っていたという記録がある。本作は2002年にデビューを果たしてから地道に成果を上げ、そしてたどり着くところに戻ってきたといえるゴスペル作。ミッション系の家庭に育った彼女のルーツであり、神への愛を精一杯表現した作品。

ミュージカル女優としてライオンキングやアイーダ等で演じてきた彼女は98年にトニー賞を獲得するなど、ステージの世界での栄冠を手にしている経験が音楽にも強く影響し、歌のストーリー性、想像を掻き立てるような表現力はピカイチ。まさにボクの最近のお気に入りである。

ホイットニーヒューストンを思い出させるような歌唱力(ちょっと例えが古い??)が、80年代のR&Bムーブメントを通ってきた世代には胸に刺さるはず・・・・

今のゴスペル界を代表するSmokie Norfulの参加や、Fred Hammondのカヴァー曲、ゴスペル・スタンダードなどを交え、とてもメロディアスでロマンティックに仕上げたアルバムです。オーケストラのバックも素敵です。

おすすめ度 
☆☆☆☆