今は亡きジャズ・トランペッターの最高峰、マイルス・デイヴィスが1968年にリリースし、ビルボードのジャズ・アルバム・チャートで最高8位を記録した作品。実際はチャートの順位なんて一般的な評価なので、それはよいのだが、まず紹介したいのは以下の魅力的な参加メンバーだ。
Miles Davis – Trumpet
Wayne Shorter – Tenor Sax
Herbie Hancock – Piano
Ron Carter – Bass
Tony Williams – Drums
同年に同メンバーで収録したアルバム「Miles in the Sky」はロン・カーターが電子ベースを、そしてハービー・ハンコックが電子ピアノを弾くことで、フュージョンが象徴するような次世代ジャズの誕生秘話となった作品と言われている。67年にコルトレーンが他界、本作「Nefertiti」(ネフェルティティ)も67年に収録されていることから、大きく音楽史が動いた時代であることは歴史が証明している。
カヴァー曲では世界中でヒットし、ポピュラーソングとして人々が知るキャロル・キングの“Will You Still Love Me Tomorrow?”やレオン・ラッセルの“A Song For You”、更にはアントニオ・カルロス・ジョビンが1962年に発表したボサノバの名曲“イパネマの娘”、ジャズ・スタンダード曲の“Body And Soul”をトニー・ベネットと共にデュエットしたエイミー最後のレコーディング曲など、一度聞くと残響が脳裏に焼きつく楽曲の数々。エイミーの音楽スタイルを象徴するレゲエ風“Our Day Will Come”はオープニング曲として華々しくアルバムの看板的役目を果たしているのも見逃せない。
彼女がこれまでに残した2作、ひとつは「Frank」(2003年)そして「Back to Black」 (2006年)に収録されていた楽曲のヴァージョン違いが聞けるのもファンにとっては嬉しい。例えば「Back to Black」に収録されシングル・カットされた“Tears Dry on Their Own”(本作品でのタイトルは” Tears Dry ”)はこちらがオリジナルというのも納得。実に味のあるバラードだったことがわかる。
2005 June Released
キーシャ・コールのデビュー作にして全米アルバム・チャートにて最高6位を記録。1年以上チャートにランクイン、ロングランでのセールスとなり最終的には150万枚超えの売上げを達成し大成功となった。当時、個人的にも非常に聞き込んだ思い入れのあるアルバムだ。
ゲストに参加したのはKanye West、Jadakiss、Eve、Chink Santanaなど。そしてプロデューサー陣にはSean Garrett、Polow da Don、Kanye West、Daron Jones、Ron Fairといった、いずれもR&B界の黒幕的存在が名を連ねている点を考えると、既に彼女の制作スタッフがこの新人の売込みにどれだけ気合いを入れていたかがわかる。
彼女の魅力は何と言っても無二の表現力だと思うが、このアルバムからのファースト・シングル“Never”(ルーサーのNever Too Muchをサンプリング)ではEveをフィーチャーし、デビューを派手に飾りたかったのだろうが、実際の結果は全く別のものだった。デビューシングル“Never”は虚しくもチャート入りすることはなく惨敗。それもそのハズ、私思うにこの曲はキーシャの表現力を全く活かしきれていないルーサーのファンとEveのための曲。
続いてセカンドとして先行を切ったのがカニエ作の“I Changed My Mind”。こちらはR&Bチャートの最高23位と期待には沿わなかったがまずまずの結果。最終的に5枚目として放ったシングル“Love”はロン・フェアー作の甘酸っぱいバラード曲。私個人の意見だが、アルバム全体を通じてとてもバランスの良い作品である本作の最もスパイスの効いた曲が、この“Love”ではないかと思う。キーシャの持つ表現力を出し切り、聞くものを惹きつける魔力に溢れている。
その後も次々とアルバムをリリースしJust like You (2007)、A Different Me (2008)、Calling All Hearts (2010)、そして2012年2月には待望の5作目(タイトル未定)をリリース予定。彼女の大ファンとして期待に胸が膨らむ。
私がこのアルバムを知ったのは10代の時に夢中になったソウルシンガーのダニー・ハザウェイとロバータ・フラックが70年代にデュエットしヒットとなった ”You’ve Got a Friend” そして同期にアレサ・フランクリンがカヴァーした ”(You Make Me Feel Like ”) A Natural Womanのルーツを調べてからだろう。たどり着いたのは本作で他にも“Will You Love Me Tomorrow”、”So Far Away”、”It’s Too Late”などかれらの曲が全て彼女のオリジナルだと分かったときは驚きの連続だった。
Joss Stone / LP1
2011 Aug. Released
2003年に若干17歳で世界デビュー。彼女自身がブリティッシュということもありイギリスのアルバム・チャートでは4位。アメリカでも39位と決して悪くはない音楽家としてのスタートを切った。しかもトータル的にアルバムの制作を指揮したのがBetty Wrightということもあり、当時彼女について色々な記事を書いた記憶があるので、デビュー作については良く覚えている。
正直に言うと、その作品は1回目に聞く衝撃に比べ、2回目以降に感じる印象がどんどん変わっていった。結局のところ薄っぺらいのだ。作品は歴代ソウルのカヴァー集だったが、特に私の大好きなアイズレー・ブラザーズの「For the Love of You」に関しては聞くに耐えない。。。と感じた。
その後も04年「Mind Body & Soul」、07年「Introducing Joss Stone」を手にとって聞くも、そこまでの印象は残らなかったというのが本音。しかし、本作はどうだろう?この作品は今までと明らかに違う。
モンテル・ジョーダンがミュージック・ビジネス界に姿を現した1995年のデビュー作。商業的には2008年にシーンを去るまでの中で最も成功した作品だろうと思う。全米アルバム・チャートの最高12位、シングル“This is How We Do It”は全米シングル・チャートで1位を記録。最終的にアルバムはミリオン・ヒットを達成し95年のグラミーアワードではシングル曲がBest R&B Vocal Performanceにノミネートされるほどの話題曲となった。
DefJamでは最高の貢献者であるにも関わらず、2002年にデフジャム最後の作品「Montell Jordan」をリリースしレーベルを去る。翌年に発売した「Life After Def」のセールスは悲惨だったが、08年の「Let It Rain」は更に全米アルバム・チャートにさえランクインしなかった。そんな彼は2010年にミュージック・ビジネス界から正式に引退を表明。現在はアトランタに実在する教会Victory World Churchにて聖職者として身を置いているとのこと、驚きだ。
話が左右に飛んでしまったが、本作のシングル“This is How We Do It”はスリック・リックの80年代ラップ・クラシック“Children’s Story”を大胆にも使い、今ではヒップホップの血統書付き90年代R&Bクラシックとなっている。こうした同じトラックに新たな命を与え、音楽が引き継がれていく姿に感動を覚えたのも、本作品の醍醐味であった。
Teddy Pendergrassの名曲“Close The Door”カヴァーが収録されているのも憎いところで、当時としては新たな試みだったラップと歌を自由に使い分けた画期的な手法に混じり、このスタンダード曲をまくし立てられる最高の裏切り行為は気持ちが良すぎるのではないか?と嬉しい疑問にさらされる。
ともあれ、本作「Femme Fatale」には彼女にとって最高位を記録した“Ain’t Nobody Like You”(全米シングル・チャート64位)が収録。私もこの曲はニューヨーク在住時に毎日ラジオから流れ聞いていたのを覚えている。逆にこの曲を聞くと当時のことを思い出してしまうほど、私にとっては強力な印象が植え付いている。
スライ&ファミリーストーンの“Thank You for Talkin’ to Me Africa”カヴァーあり。制作はKenny Gamble、David Fosterなど素晴らしい面子揃い。ゲストに当時の男性シンガーとしては大の人気者、Christopher Williamsを迎えている。
作品の話に移るが、アルバムはジャーメイン・デュプリの“So So Def”レーベルからリリースとなったもの、ジャーメイン色は影もなく、アンソニー自身の音楽性を十分に発揮できるよう環境が配慮されているようだ。本アルバム最大のヒットとなった「Charlene」はシングル総合チャートで19位、R&Bチャートで3位と地味ではあるが、彼のような土臭いソウル・ミュージシャンが現代に出せる結果としては最高の形だ。私自身もこの曲を初めて聞いた時は同じ音楽を志す人間として同じような経験があっただけに胸に刺さる想いをした。歌の内容としてはこのようなことだ。
回想はここまでとして、この記念すべきデビュー・アルバム「Girl Talk」は私も大好きなHenri Renaud氏がプロデュース。Akikoさんの個性を素晴らしい状態で引き出しているのは、彼の長年の五感が成せる技だと思いました。どの曲も好きなのですが、個人的に響いたのは彼女が歌う“Crazy He Calls Me”、“Sweet Georgia Brown”、そしてライブでも記憶に残った変則ビートの“Fly Me To The Moon”でしょう。
シンガーのBernard Jackson、ベーシストのDavid Conley、そしてギターリストのDavid Townsendによる3人組R&Bグループ。既にこの世を去ったDavid Townsend は70年代中期にアイズレーブラザーズのギターリストを務めた他、マービンゲイの名曲 “Let’s Get It On”を手掛けたEd Townsend のサラブレッド(息子)としても知られている。3人は1980年代にEMIの専属ライターとして仕事を共にし、後83年に“Falling in Love”にてデビュー。89年には”Shower Me With Your Love” が全米シングル・チャートの5位を記録し、その曲は当時駆け出しのミュージック・ビデオ専門チャンネルでも頻繁に流れ、国内での認知度を一気に広めた。
グループの最大のヒット曲は1990年にアルバム「3 Deep」に収録、先行リリースとなった”The First Time” である。作品は全米シングル・チャート、全米R&Bチャート共に1位を制した。
トラックリストにはNaughty by Nature の”Uptown Anthem”に始まり、Eric B. & Rakim の”Juice (Know the Ledge)”、Aaron Hall の”Don’t Be Afraid”など当時のヒット曲を含め、このアルバムで正式なリリースとなったTeddy Riley & Tammy Lucas”のIs It Good to You”などもある。余談だが、このTammy Lucasさんと言う女性ボーカリストはテディの秘蔵っ子としてデビューも予定されていたが、決して作品が世に出回ることはなかった。素晴らしく透き通った声の持ち主で、個人的に大好きだったのだが・・・・
その他の収録曲はMC Poohの”Sex, Money & Murder”、Big Daddy Kane の”Nuff Respect”、EPMD の”It’s Going Down”、Too Short の”So You Want to Be a Gangster”、Cypress Hill “Shoot ‘Em Up”やSalt-n-Pepa の”He’s Gamin’ on Ya’”など、どれも当時を代表するヒップホップ・アーティスト達。
そして極めつけは、この映画の内容とキャスト達。特に主演を務めたTupac ShakurとOmar Eppsが当時のゲットーキッズに与えた衝撃は計り知れない。実際に2Pacはこれを機に飛躍的に活動の場を広げ、アルバムの売行きも倍増した。役柄があまりにもリアルでその後の2Pacのイメージが決定付くほどだった。
今回紹介するアルバムを本作「BOBBY」にするか、またはソロデビュー作の「Don’t Be Cruel」のどちらを先にするべきか、結構迷った。当時、彼に入れ込んだファンならわかるよね?でも自分にとっては、オンタイムにアメリカで聞いていた非常に思い入れの深い前者を選ばせていただいた。ボビーのビデオを見ては必死にダンスのステップを盗もうとしたのは自分だけではないハズ。最近も偶然見る機会があったのだが、やはり彼はスゴイ!当時は自分もあれくらい体が軽かったナ~なんて思いだした。
さて、この作品「BOBBY」からは“Humpin’ Around”を始め、ジョージクリントンのサンプリングを使った“Get Away”などのニュージャック、後に結婚することをまだ知らないホイットニー・ヒューストンとのデュエット曲“Something in Common”が収録。プロデューサーは当時、ニュージャック・ムーブメントを確立したのテディーライリー、そしてR&Bの象徴的ライター、ベイビーフェイスの2本立て、アルバムは最終的にUS国内でダブルプラチナム、カナダも同じくダブルプラチナムを記録した。
まずは彼のソロ・キャリアで一番のヒットとなった曲 “I Miss You”はR&Bシングル・チャートで2位、全米シングル・チャートでは14位を記録。個人的にも一番好きな曲で、Guy時代には表現しきれなかった豪快なバラードとして歌い上げることに成功している。この曲について語らせると原稿用紙10枚分は軽く話せてしまうほど、私にとっては魅力的。恐らくもう何千回と聞きまくったが、いつ聞いても新鮮で毎回新しい発見をするほど惚れ込んでいる。
他にもイントロダクションから始まる “Don’t Be Afraid” や “When You Need Me”等のバラードも絶句。ニュージャック志向、ガイの面影が強い“Do Anything”、“Open Up”は引き続きファンを喜ばせた。
このアルバム以降もInside Of You (1998)、Adults Only(2005)と作品をリリースしたが、ファンとして飛びついて買ってはみたもの、楽曲に恵まれず残念な作品に終わってしまった。紛れもない事実といえば、この時代のナンバーワンを誇るシンガーとして、現在第一線で活躍するアーティストに多大な影響を与えたということは断言できる。
おすすめ度
☆☆☆☆☆
↑このビデオ「I Miss You」は当時注目されました。結構なドラマ仕立てで、若干臭さもあるのだが、それがまたイイんだよね。ちなみにCDのフルバージョンとは違い、音楽の方は物足りない感じです。
若干20歳で世界で最も音楽的に格式の高いバークリー音楽院を卒業し、翌年にAyva Music Ayva Musicより自身のリーダー作「Junjo」にてデビュー。翌年2007年はStanley Clarkeとの共作を発表、08年は2作目となる「Esperanza」のリリース、09年はオバマ大統領がノーベル平和賞を受賞した式典にて名誉たるコンサートに出演するなど、これまでの活動が目まぐるしいほど忙しかったことは確かだ。
この度グラミー・アワードで評価を受けた「Chamber Music Society」は2010年8月にリリース後、再び脚光を浴び2011年3月5日付けのビルボード・アルバム・チャートで自己ベスト記録の34位をマークした。
Martina McBride は1992年にデビュー2009年までに10枚のオリジナル・アルバムをリリース。数々のチャリティーにも積極的に参加し信仰心が強く、人種的な偏見も少ない女性であることは彼女の音楽が証明するところ。現在は3人の娘に恵まれ、自身の子供に関する歌も数多く歌っているが、本作で最も著者が心を打たれた”In My Daughter’s Eyes”もそのひとつ。一人の母親として子供の目に映る純粋な世界を描いた素晴らしい作品。アルバムのセカンド・シングルとしてリリースされ2004年の全米シングル・チャートで最高39位を記録。尚アルバム自体は総合チャート7位、カントリーチャートで1位を記録した。
14曲目にはジャズ・スタンダード”Over The Rainbow”のライブ音源が収録。
彼女の歌唱力が直々に痛感できるナンバーだろう。
おすすめ度
☆☆☆
映像はカントリーミュージック・アワードにてオーケストラをバックに”In My Daughter’s Eyes” を歌っている様子。大勢の観衆を前に、かなり緊張しているように見える。
Dec. 2008 Released
2004年に映画「Ray」にて主演を務めアカデミー賞を獲得。ビヨンセが出演し話題となった「Dreamgirls」やトムクルーズ主演の「Collateral」などに次々と舞台を移し、その勢いも止まらず俳優として脂ノリノリの彼が2008年にアーティストとしてリリースした本3作目はミリオンセラーを記録。中でもT-Painをゲストに迎えたサードシングル曲の“Blame It” は音楽の最高栄誉であるグラミーアワードの「Best R&B Performance」部門を獲得。
アルバムの内容は奥深く、“Blame It” 以外にも数々の名曲を残したが、T.I.参加の“Just Like Me”、Ne-Yo が歌でFabolousがラップで参加した “She Got Her Own”など、ヘヴィ・ローテーションとなったリード・シングル以外も大人のオ・ハ・ナ・シが満載、ベッドタイム・ミュージックとしても重宝された。
私が在米中の80年代後半のイメージからは考えられないが、当時のジェイミーは「In Living Color」というコメディー番組にて超オチャラケ役で笑いの的であり、コメディアン以外の何物でもなかった・・・というのが本音。その影響も後を引いてか1994年にリリースしたデビュー作「Peep This」は全米ネットワークに出演するアクターとしてはあまりにも悲惨だが、アルバムチャートの最高が78位という結果に留まった。彼がクラシック・ピアノを極め、音楽の道で大学のスカロシップを受けたことがわかったのは、その何年も先でセカンド・アルバム「Unpredictable」をリリースした時だったことは記憶に新しい。
Black Musicを愛し続けて20年以上。1980年代は好きな音楽環境に身を投じるためにニューヨークのハーレムで過ごした音楽狂。このブログでは世間的な音楽価値を完全に無視し、独断で好きなアーティスト・アルバムだけを紹介します。1950年代のモダン・ジャズから現在のHIP HOPまで、魂のある音楽なら何でも大好き。時代を超えて私が愛したアルバムの数々をレビュー。月に数回ですが、生きてる限りは更新し続けますので末永くお付き合いを!